いつか、夢の中で
「あの奥の窓で出会うと、そのふたりは必ず恋人同士になるのよ」クスッと笑ってそう言った、司書の千葉さん。あたしは思わず手を止めて顔を上げた。それ、違うよ。ウソだよ。だって、桜が満開のあの日、あたしが窓のところで出会ったのは-羽鳥センパイ。あたしが、ぜったいに好きになるはずがない人だもの。あたしの、かけがえのない親友の“彼”なんだから…。
「あの奥の窓で出会うと、そのふたりは必ず恋人同士になるのよ」クスッと笑ってそう言った、司書の千葉さん。あたしは思わず手を止めて顔を上げた。それ、違うよ。ウソだよ。だって、桜が満開のあの日、あたしが窓のところで出会ったのは-羽鳥センパイ。あたしが、ぜったいに好きになるはずがない人だもの。あたしの、かけがえのない親友の“彼”なんだから…。