僕たちの勲章
伸は顔をあげ、僕を見つめた。「…惚れたまま、別れた相手がいるっていうのも、勲章かな」その刹那、僕の脳裏に、まばゆいばかりの海辺の景色が広がった。色とりどりのビーチボール、点在するパラソル、寄せては砕ける波の音…。そして、白いテント屋根の下で、笑って並んで立っている、僕と伸。…あの夏、僕は一生分の恋をした。
伸は顔をあげ、僕を見つめた。「…惚れたまま、別れた相手がいるっていうのも、勲章かな」その刹那、僕の脳裏に、まばゆいばかりの海辺の景色が広がった。色とりどりのビーチボール、点在するパラソル、寄せては砕ける波の音…。そして、白いテント屋根の下で、笑って並んで立っている、僕と伸。…あの夏、僕は一生分の恋をした。