幽世のおくりごと 百鬼夜行の世話人と化け仕舞い
非現実的なものを許容しなくなった現代日本で居場所を失い、自らの存在に終止符を打つ「化け仕舞い」を選択するあやかしや神達。彼らの恨みや未練を絶ち、次の生へと送り出す「世話人」が幽世で密かに活動していた。
幽世に迷い込んでしまった人間の少女・雪白は、世話人の青年・カゲロウと出逢う。幽世に来た弊害か、記憶を失くしていた彼女は、世話人の仕事を手伝いながらカゲロウの厄介になることに。
双子の提灯おばけ、荼枳尼天、そして亡霊まで……。雪白は様々なあやかしたちと交流し、彼らの温かさや優しさに徐々に惹かれていく。そして悔いのない「化け仕舞い」のために奮闘するがーー?
切なくも美しい、幽世葬送譚。
■著者プロフィール
忍丸(しのぶまる)
『異世界おもてなしご飯』(カドカワBOOKS)でデビュー。著作に「わが家は幽世の貸本屋さん」シリーズ(ことのは文庫)、『花咲くキッチン』(富士見L文庫)、『古都鎌倉、あやかし喫茶で会いましょう 』(一二三文庫)など多数。