京都上賀茂、神隠しの許嫁
幼い頃、神隠しにあい、その記憶を失った大学生の人見紅緒は、祇園祭前、智積院で洋傘を見つけた。瞬間、見知らぬ見目麗しい白髪の男性と出会い、「迎えに来てくれた」と懐かしさを覚える。翌日、傘に導かれて上賀茂神社近くの『古どうぐや ゆらら』に辿り着き、昨日の彼ーー眞白と再会。突如、結婚準備を始められそうになり、過去に婚約したと告げられて……? 京都が舞台の、記憶を取り戻そうとする少女のかりそめ婚約×和風あやかしストーリー。
装画/春野薫久
■著者プロフィール
八谷紬(はちや・つむぎ)
2016年2月、絆と再生を描いた小説『15歳、終わらない3分間』で作家デビュー。京都在住。