ファタモルガーナの館(1)
「旦那さま?」長い黒髪に翡翠の瞳を持つ女は「あなた」にそう問いかけた。しかし「あなた」は何も思い出せない、何もわからないー自分のことでさえ何も。「まあ…、何も覚えていらっしゃらないと?それは大変。困りましたわ」自分の帰りをずっと待ちわびていたという彼女は思案の後、「あなた」の記憶を呼び覚ますよう語り始めた。かつてここにあった美しい薔薇園のことや暮らしていた人々の話、そしてーこの館で起こった数々の悲劇を!人気同人ゲームを完全ノベライズ!「その館に住む者は必ず不幸になるー」悲劇と絶望のゴシック浪漫サスペンスノベルの幕が開く!
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ファタモルガーナの館(3)ファタモルガーナの館(3)
呪われた館で起こった数々の悲劇。しかし、その真相はー!?彼女の語った物語と、青年が思い出した記憶の数々。そのすべてを知る者は館の魔女だけなのか?ゴシック浪漫サスペンス第3巻! 2015/03/14 発売
ファタモルガーナの館(4)ファタモルガーナの館(4)
ーーねえ、ミシェル。起きて……。<br />「起きてくださいってばああああっ!」ジゼルがシーツを引っぺがした姿勢で悪い笑みを浮かべていた。「やっと起きましたね? もう、ミシェルってば子供みたいに寝続けるんだから」<br />「こ、子供って……。ここは、一体……?」<br />「もうー、寝ぼけすぎですよ? 自分のお部屋じゃないですか……」<br /> そんな他愛ないジゼルとの日常……いやーー! 夢に浸っている場合ではない。この瞬間、こうして甘い過去を引き摺っている間にも、彼女は魔女モルガーナの手によって破壊され続けているのだろう。<br />「……ジゼル。もう少しだけ、待っていてほしい。今度こそ私は、自分自身を見失わずに……君の下まで辿りつく!」<br /> 怒濤のゴシック浪漫・第4巻!<br /> 2015/07/15 発売