精霊幻想記 17.聖女の福音
哀れな民に救済を。愚か者に聖女の福音を。
その日、シュトラール地方の辺境でひとつの国が滅んだ。
民衆を革命へと導いたのは、聖女エリカを名乗る黒髪の女性。
新生国家の初代元首となった彼女は、休む間もなく列強諸国へと自ら足を運ぶーーすべては、己の悲願を達成するために。
「貴様、ただの道化ではないな。もっと質が悪い魔女の類いか」
「私はただ弱者が存在しない世界を作り上げたいだけです」
一方、リオは復讐を終えた報告をすべく、ヤグモ地方への帰郷を決めるが、その途中で思いもよらぬ人々と再会することに……!?