出版社 : 新書館
十二月。 期末テスト終了後、杏がバイトへ向かうと店の周辺をうろつく外国人男性と、さらに怪しい男性客と行き当たる。男性客のほうはヴィクトールの父の友人で、彼は「近々、不審者がヴィクトールの周囲に現れるかもしれないので気をつけろ」と警告してきた。店内では杏がバイトを始めるきっかけになった女幽霊に渡した青いサンダルを発見。現れた女幽霊の顔を見てヴィクトールは驚愕する。 以来、仕事に来なくなったヴィクトールを家まで迎えに行く杏だったが、彼は不在。しかもヴィクトールの家の倉庫を荒らす男に遭遇し、杏は拘束されそうになる。彼女を助けてくれたのは、例の青いサンダルの女幽霊とかつて店にたびたび現れていた小椋の元妻の幽霊だった。 事件の恐怖から数日学校を休んだ後、杏はヴィクトールから彼の過去と青いサンダルの女幽霊の正体、そして杏への想いを明かされて……? 怖さも甘さもクライマックス、オカルティック・ラブコメ完結!!
十一月初旬の土曜。杏とヴィクトール、雪路、小椋という、室井を除いた椅子工房「TSUKURA」の面々は隣町の文化センターに来ていた。来月に閉鎖されるこの施設で使用されていた家具類を買い取るためである。 小椋の話術もあり、交渉相手の湯沢、久保田らとのやりとりは円滑に進む。だが、遅れてやってきた米沢がたくさんの不気味な子どもたちの幽霊をその身にまとわりつかせているのを、杏と雪路だけが目にしてしまい……? オカルティック・ラブコメ、甘いだけじゃない第6弾♡
華帝国の名門・解家に生まれた貴薔は、人の心の扉を開いて操る『万能鍵』と呼ばれる異能を持つ。だがかつて父が連れてきた異国の青年ー現在は従者であるセオの心を暴き、その複雑怪奇な心とつながりっぱなしになってしまったことから能力を重荷に感じ始めていた。そんなとき邸に忍び込んだ隣国ザハラの王子クリシュナの、あまりに澄み切った心に衝撃を受ける。この者ならばー。貴薔はある野望を秘め、クリシュナに取引を持ちかけるが…?
作家になることを父に反対されたウィルフレッドと、一度死んで生き返ったなどという不名誉な噂を立てられたエディスの二人は、駆け落ちし晴れて夫婦となった。作家活動を始めたウィルを支え、ささやかで幸せな生活を満喫していたところ、エディスは『生ける屍』を題材とした荒唐無稽なお芝居ー“ハント伯爵令嬢シリーズ”が各地で大当たりしているという噂を耳にする。ウィルのもとにも新作の脚本の依頼があり、真実を広めるいい機会だと、その依頼を受けることにするが…?
蒼眼の葬送隊からなんとか逃れた一行だが、そのさなか桜が姿を消してしまう。イリヤによってロンドンに連れ去られていたのだ。牢に閉じこめられ、蒼眼の女を人間に戻す“邪眼殺し”の能力を繰り返し試される桜。頼りになる仲間たちと引き離され、たったひとりでこのピンチをどう切り抜ける…?一方、三月たちと一緒に桜の行方を追いながら、蜜蜂は今の自分に果たして桜を捕えることができるのかを考えていた。
「真人」という大切な人を失った、等と苫人のふたり。それぞれ教師となり、教え子を持ったものの、胸の奥にはまだ癒えない痛みを抱えていた。そんなふたりのつながりを学校では誰も知らないー。そして、さまざまな問題を持つ生徒たちと、ふたりは向き合うのだがー。コミック「ぼくのワンピース」のその後を描いた表題作「彼等のワンピース」ほか、ふたりの教え子である二戸羽瑠と北上來大に芽生えた友情の物語「理性の王国」、そして再び等の物語「ワンピース」を収録。
グラン・アーク共和国の聖騎士リランは、聖騎士団の借金の形として仮想敵国・輝陽皇国に置いていかれた。故に豪奢な衣装を着せられ、皇帝・大樹から「君が新しい妃だろうか?」と訊かれた時は秒で「殺ろう」と決意したのだ。だが大樹はリランが聖騎士と知ると、人を喰らう“屍魔祖”の斃し方を訊ねてきた。皇国では皇子らを奴の生贄に捧げて安寧を保っていること、大樹もかつて生贄にされかかったことなどを、太陽のような笑顔の彼から聞かされたリランは…?中華風退魔ラブコメ。
霊感体質の女子高生・杏がバイト先の椅子工房「TSUKURA」から帰宅途中、迷い込んだのは廃品が積まれ何匹もの猫が集う庭。杏はそこで自らを幽霊だと名乗る少女と出会った。庭でのある出来事により体調を崩した杏は、工房のオーナー・ヴィクトールの助けで一度は立ち直る。だが、例の少女が杏の行動圏内へたびたび出没するようになったことから…?過保護全開のヴィクトールとの初めてのスツール作りも継続中。甘さ増量でお届けする、ふんわりオカルティック・ラブ第五幕。
ケモノの耳と尻尾を持つ獣耳族と人間は、付かず離れずの距離で暮らしていた。ところが最近、獣耳族を遠くに追いやろうと人間代表の修道士ギルバートが村に来るようになる。そんな彼を追い返すのが、獣耳族の少女カリサの日課だった。ある日街に薬を売りに行ったカリサは、人間に絡まれそうになったところをギルバートに助けられる。街での彼は普段の慇懃無礼な態度とは正反対に柄が悪く、でも意外に親切で…?意地っ張りケモミミ少女と不良修道士の、ファンタジック・ロマンス。
十九世紀、大英帝国ヴィクトリア朝。ウィリアムと仲違いをしてプラントハンター休業中のネイサンは、知人の転地療養に付き添い、レベックを伴って出国した。一方、退屈な日々をひとり紛らわすウィリアムは、ある城でレベックそっくりの肖像画を目にする。その頃、旅の途中でネイサンと別れたレベックは、植物採集をするうちに迷い込んだ山道で“フローラ”と呼ばれた女性から一つの使命を与えられ…?比類なき公爵家のプラントハンターと奇蹟の花々をめぐる物語、ここに終幕!!
リシャールの婚約者選定が進まぬなか、王位継承権を認められたリザの婚約が成立。一方アニアは祖父の記憶から先の王位継承戦争の真実を知り…? 女の子たちが頑張る冒険活劇ストーリー、終幕!!
ついに夏草と合流。眠りから覚めた彼は、意外なことに何ひとつ記憶を失っていなかった。一行は伯爵夫人の城を後にし、三月が夏草のために集めた蔵書と、鎖様が七百年前に書いた『成長しない子供』に関する論文を保管するサンクト・ペテルブルクに向かう。その陰で、実は蒼眼の一族である蜜蜂は、この先も疑われることなく旅に同行するため桜を籠絡せよとの密命を受けていて…?対・蒼眼の戦い、いよいよ本格化。大人気シリーズ続篇第3弾!!
王女リザは政略結婚の駒となる前の自由を満喫中だ。何者かから命を狙われた時、刺客をあぶり出すためにティムと駆け落ちをしてみるが……? 女の子たちが頑張る冒険活劇ストーリー、第三幕!!
大正時代・帝都。新富町で歯科医院を開く花守啓介は、治療で使う道具を追究するうちにある鍛冶職人の作品に興味を持つようになる。人づてに頼んで向島の指物師が持つ十本組のノミを見せてもらうが、その名品が忽然と消えた時、花守が犯人と疑われてしまった。現場を調査したのは、農商務省の嘱託・白菊芳史。彼は人の悪意を養分にする“異客”と呼ばれる寄生植物の対応に当たっていて…?明朗快活な好漢と人を寄せ付けない美貌の男の出会いから始まる、謎めく植物をめぐる探偵譚。
国内初の女伯爵となったアニアは、領主兼王女リザ付きの女官として多忙な日を送っていた。その上、王太子リシャールのお気に入りという噂から、令嬢たちに嫌がらせをされたり殿方たちが取り入ってきたり、と騒動続き。小説を書く趣味だけが息抜きだ。そんななか、留学中だった王太子の弟メルキュール公爵が帰国した。王太子もリザも警戒するほどの問題人物だという彼は初対面のアニアにいきなり求婚してきて…?冒険活劇ありロマンスあり、宮廷ガールズ・ストーリー、第二幕!!
霊感体質の女子高生・杏は、バイト先の椅子工房「TSUKURA」オーナーであるヴィクトールと椅子の展覧会へ行くことになった。そこでは主催者の夫妻と息子の諍いに巻き込まれてしまうものの、おおむね楽しい休日となる。ところが、その展覧会へ行って以来、茶色のトイプードルと犬の飼い主らしい男の幽霊が杏たちの前にたびたび現れるようになり…?ヴィクトールに導かれ、杏の初めてのスツール作りもスタート。甘さ微増量でお届けする、ふんわりオカルティック・ラブ第四幕。
物語が大好きな、田舎貴族の娘アニア。王宮でお仕えしたのは、書庫の姫と噂される変わった方だったけれど、本好き同士で気が合って……? 女の子たちが頑張る陰謀活劇ストーリー、開幕!!
十九世紀、大英帝国ヴィクトリア朝。ネイサンがニュージーランドから帰国した時、ロンドンではシダの観賞が大流行していた。『シダ狂い』の間では、幻のシダの花の伝説まで流布する始末。だが、その花が咲く場所を偶然知って見に行ったネイサンは、同行したレベックから、それが悪魔の支配下にあると聞かされる。そしてウィリアムが十年前のある事件を調べた時、この“幻のシダの花”が関係してきたことから…?比類なき公爵家のプラントハンターと奇蹟の花々をめぐる物語、第四弾!!