出版社 : 講談社
『魔法使い』は記憶を取り戻せなかった。だけど、あたしは『女帝』のことを教えたくない。あたしは『女帝』に嫉妬してる…。そんなあたしたちの前に現れたのは、会堂から脱出してきた坂崎。でも、戦いの真っ最中、『運命のタロット』最強の精霊『世界』が、坂崎を会堂へ連れ戻しにきたんだ。その引力に巻き込まれて、なんと、あたしは、13年後の世界へふっ飛ばされてしまったの。そして、そこで再会したのは…。
港の見える丘公園で女性がおそわれ、現場から怪しい覆面の男が立ち去った。事件解決にのりだすリミと彦音-。それにしても、あの、別人になった彦音くんはしっかりしているのに、ふだんはまったく頼りなくて、イヤになっちゃう。だいたいこんなピンチのときに変身してくれないないんて、犯人をつかまえられない。でも、覆面の怪人って、敵なの味方なの。すると犯人はいったい…。
わたし、どうかしてる。あの電話は、ただの間違いで。あの人は、わたしと話をするために掛けてきてくれたわけじゃない。お互いにどこで何をしてる人間なのか、尋ねることもなく、話してたけど-なぜか、それが心地よかった。前の彼のこと、まだフッ切れたわけじゃないけれど。ドキドキする対象が、変わっていく気がして…。
亨は背もまあ高いし、顔も悪くはない。そのうえ、頭が良くて、サッカー部のキャプテンとくれば、モテないわけがない。ユキは何でもはっきり言う。好きなものも、嫌いなものも容赦ない。典子は、かわいいけど、ほんとの友達じゃない。大事なことは話さない。お互いに。17歳の教室には、いろんな色があふれている。いつかあたしも、自分を思いどおりに染めることができるだろうか…。
私、鹿島田理梨子。タロット占いとネコの世話が得意な高校2年生です。私の学校には、とってもステキな生徒会長がいたの。でも、半年前に亡くなってしまった…。ところが、彼の亡霊が体育館に現れる、という噂が広まり、会長に憧れてた女の子たちは、パニック。ついに、この私も道づれで張りこむことに。殺人事件は、その夜の暗闇から始まります。「危ないことに、かかわるなよ」って、BFのロウが忠告してくれたのに…もう手遅れ。
京都の庵に身を隠していた篠宮透子が、父・京一郎の手によって誘拐された。卓也と聖司、そして薫の三人は、七曜会の命を受けて、京一郎の潜伏先、香港へ飛ぶ。透子を呪具とする術の完成のため、七曜会の秘宝「闇月」を奪った京一郎の狙いは、香港にあるもう一つの秘宝「照日」。薫と卓也は無事秘宝を守り、透子を奪還できるのか…。霊能力コンビが繰り広げる妖しの世界のオカルト・ファンタジー第五幕。
大公家に伝わる「未来の書」には、そこに記された予言を成就してゆくかぎり、公国は安泰である、という言い伝えがある。美貌の公子エリュートに課せられた予言とは、公国遍歴のあと、国で最も美しい娘を生涯の伴侶として都へ連れ帰るというものだった-。飲んだ者を一晩で“最も美しい娘”に変えるという秘薬を授かって、エリュートは従者マシバと旅に出たのだが-。第2回ホワイトハート大賞「エンタテインメント小説部門」優秀賞受賞。
-この神殿で怪物の宝に手をつけた盗人は、ラコシに追われて必ず生命を落とす-ウィンタース家に長年伝わるラコシの呪いが、パーティーの日、よみがえった。次々に起こる爆発、殺人。われらがミス・マンディまでが危うい目に-。さあ、僕の出番だ。悪人ども、ここからはこのセディ・エロルがお相手をするよ。待望のシリーズ第4弾、いよいよ登場。
「人を殺したいと思ったことある」-昼休みの屋上で。親友のエミリにそう尋ねられたときは、そんな気持ち、あたしの中にあるかどうかなんて考えたこともなかった。あたし、水野流花、17歳。「ルカは優等生だもん。そんなことしなくたって怖いモンないよね」というエミリの言葉どおり、殺人なんてあたしにはまるっきり縁のないこと。そう思っていたのに…。
美帆の父の白川探偵事務所に、浦辺という母娘から調査依頼があった。父親が密室の浴室で死亡、娘にも危険が迫っているという。十日ほどまえに、福井県の村から埼玉県に引っ越してきたこの一家。追われるように、怯えている母娘は、何かを隠してる…。そして、美帆の同級生が、父親の転勤で、その村へ。友達が危ない。圭とともに謎の村を訪れることになった美帆が、そこで見たものは。シリーズ第3弾。
あたしは、岸谷くんのことが好きだった。片思いしてた。それは、岸谷くんが、すごく頭がよかったから…。でも、その岸谷くんが、なんと、成南高校の受験に失敗しちゃったの。いくら頭がよくたって、試験に落ちちゃったらね…。好きな人の好きなところがなくなったんだから、岸谷くんのことは、もう好きでもなんでもない。早く新しい恋を見つけよう…。そう思ってたんだけど…ところが。
松原空未、高校生になったばっかり。偶然出会ったお金持ちの大学生黎さんと、ちょっと不良っぽい翼先輩、クラスメートの鮎川君の間で心は揺れているの。でも私には、大事な夢がある。5歳のときに手紙をつけて飛ばした赤い風船が、きっと運命の人に届いているはず。その人に出会うことをずっと信じてるの。運命の人は3人の中にいるの。それとも別の人。私は誰を選ぶのだろう…。
「カタカナの名前も、くるくるの髪も嫌い」そう言い放つミカに、彼は真顔で言う。「三日月のミカちゃん」やわらかな月のあたたかさで、彼はミカをつつむ。悲しいほど、せつなく。ふたりが出会ったこと、それは偶然じゃなくて、きっと奇跡。10年間の片思いに傷ついて、止まっていた心の振り子が、静かに揺れはじめてる…。ティーンズハート大賞佳作受賞後第一作。
まだ肌寒い春先のとある朝、竜憲と大輔のもとに、鴻が行方不明との連絡が入った。二人はさっそく電話の主-鴻の昔からの友人で、幽霊屋敷取材のため鄙びた温泉宿に泊まるライターの中沢高志のもとへ急行する。ところがその晩、意外なことが起こった。宿にいない鴻から「宿にいる」という連絡が入ったのだ。得体の知れない空間に紛れたのは鴻か、それとも。はたしてこの一件に幽霊屋敷は絡んでいるのか…。
直也とふたりの、初めての九州旅行。本当は、あたしの友人の結婚式に出席するついでなんだけど…。なのに式の直前、新郎が何者かに殺されて、結婚式は中止。誰がいったいこんなことを。でも、あたしが絶対あやしいとにらんだヤツには、しっかりアリバイがあって…。-愛田加奈、女の勘と執念で、事件の謎にせまる。
あたし、工藤由香。高3の受験生。雪山で迷子になったあたしとサキは、怪しげな噂のベールに包まれた恐怖館に、泊まる羽目になってしまったの…。館に集う、曰くありげな客人たち、奇怪な言動をとる女主人。謎は深まるばかりで、怯えるあたしたちはなす術もなく、恐ろしい惨劇の夜を迎えることになるのだった。圭一郎さん、圭二郎さん、早く早く、助けにきて。
河世が千尋をかばって事故死してから、3か月。「時空の運命」から恋人を救えなかった千尋だが、タイムスリップ実験に協力する。ところが、飛んだ五年後には、さらに百年未来からきた、河世の子孫だという太斗が現れた。そして、死んだはずの河世の結婚式が行われていた…。「時空を超えて」第二章。千尋が戦うのは、地球人に横恋慕した、惑星バジャールの王女ランラン。
先生が憎い、愛していたから。あのキスも、抱いてくれた腕も、他の女のものになるなんて…許せない。教師との恋に傷つき、彼を刺してしまった少女が、桜の下で少年と出会った。少年もまた、愛する男を殺そうとしたという。紗綺と皓、夜桜舞う東京から京都へ、失われた恋を埋めるための逃避行が始まる。罪を犯してしまった、ピュアな二人の結末は…。桜の散るころに、永遠に土のなかへ。
花の都ラグーザで、城主ジークムント公より寵愛をうける騎士クィーラ。雅な姿態と艶やかな黒髪、そして両性体という秘密を持ったクィーラが出合う困難とは。まだ成人まえのクィーラが、都じゅうを捜した腕輪とは…(表題作)。城主ジークムントの渇望とは(『甘いあやまち』)。クィーラの不思議な旅(『朧姫』)。セルダム剣士ゆえふりかかった困難と、クィーラの挑戦。「クィーラの花冠」中編集。