1992年8月1日発売
「し、忍のチチが癌〜!」-“父”と“チチ”を誤解して、大ショックの高志。なくなってしまう前に、せめて最後のお別れを、と下心アリアリで忍に迫ります。そのとき、無情のポケベルが鳴り、哀れ高志は「花嫁殺し」の現場へと急行することに。捜査に乗り出しつつも、“チチ”が頭から離れない高志は、忍のもとへしのんでいくものの…。ふたりは首尾よく犯人をあげ、Bまで進めるでしょうか。
あたしの彼はエースで4番。彼の夢は、甲子園で大活躍して、プロ野球選手になること。それはあたしの夢でもあるの。世界でいちばん愛してる…。それなのに。ある日突然電話がこなくなったの。やっと彼女になれたのに、どうして?あんなに抱きしめてくれたのに…。あれは、みんな嘘だったの?野球をやめちゃうって、本当なの?信じたくない。このまますべてが終わるなんて。いったい、あなたに何がおこったっていうの?
あたし、奥山つかさ。高校1年。彼氏どころか、好きな人さえいないあたしは、たいくつな、たいくつな夏休みを過ごしていたんだ。そんなあたしが、親友の文香のバイト先で見かけた藤井クンっていう男の子に、なんと、ひとめぼれしちゃったの。藤井クンを紹介してもらったあたしは、思いきって告白して、OKの返事をもらったんだけど…。あたし、藤井クンが、中学時代の元彼女と一緒にいるところ、見ちゃったの…。
すべては、あたしの橙林学院大学受験の失敗から始まったの。あたしと一緒に受験したホシオは、補欠だけど合格してた。エイリアンのくせに。あたしの名前は、百武千晶。18歳の乙女。ホシオと同じ大学に行くために。あたし、決めたの。浪人。1年間の、孤独な地下生活。暇なし、娯楽なし。たしかに、辛そうな気がする。いや、辛くないわけがない…。
あたし、南千絵。高1。とっても素敵な高校生活の予感。だって健がアメリカから帰ってきたんだもの。大好きな健が…。それに、同じ高校に通えるなんて、夢みたい。ところが、アメリカでの生活は、健を変えていたの。彼のやさしさの表現は大胆で、あたしは戸惑ってしまう…。クラスの男のコからは冷やかされるし、女のコも陰口を言っているらしい…。こんなはずじゃなかったのに-。
男のコを好きになる気持ち、みんなわかるよね。声を聞くだけでドキドキしたり、姿を見るだけで、うれしくなったり。そんな大切な想いが、どうして踏みにじられてしまうんだろ?ただ私が“DE・BU”ってだけで…。新しい学校、新しい友だち。誰も知らない人たちのなかで、中学時代の私とはさよならした、はずだったのに。思い出したくもない、あのイヤなあだ名で呼ばれた日から、悪夢がよみがえってしまった-。
あれは本当にあったことだったのだろうか。1枚の写真を手に、三枝双葉は記憶をたどる。兄の笑顔を愛していたあたし。兄によく似た荻野君。彼からもらったバイロンの詩集。そして起こった信じられない出来事。すべてはあたしが兄を思う気持ちのせい?兄への思いの強さが、死んでしまった荻野君の魂を呼んだのだろうか。遠い昔が、双葉の中にゆっくりと蘇える…。兄妹の絆の強さが生んだサイコ・サスペンス。
秋野美海子、22歳。友達は次々にウエディングベルを鳴らす年頃というのに、今の私は結婚どころか、まだ恋すらしていない。5年前の悪夢のような恋の終わりは、私を、ブラックホールに閉じこめたまま…。そんな私の毎日に、突然飛び込んできた年下の雄太。そして、故郷でのお見合い話。失った恋にピリオドを打つこと、恋をすること、そして結婚。-揺れ動く微妙な想いを優しく抱きしめる意欲作。
京都。洛北の古社、鳴沢神社に伝わる奇祭「鬼やらい」。取材にやってきたフォト・ジャーナリスト東条慎二は、神に奉納する舞を司る、泉家の美しい双子の少年、朱鷺生と奈留水に出会う。彼らの祖母、志津乃。神社の宮司、美坤秋彦。そこには、妖しい人間関係が渦巻いていた。人ならぬものの気配、魑魅魍魎の囁き。そして祭りの夜、東条が目にしたものは…。表題作『花幻抄』ほか、一枚の絵に封じられた禁断の恋を描いた『天女妖変』を収録。
風見鳥学園の1年生は、クラス別で西洋お姫様シリーズを演劇発表することになった。あたし(夏月)は『白雪姫』の監督。兄妹校の大鳥学園の生徒が協力してくれる。主役の白雪姫は吉野聖子だが、役をおりろというキョーハクの手紙がきた。麗奈さんがタロットカードで占ったところ、聖子には災難がふりかかるという。そして教科書の中に隠されていたカミソリで聖子が指を切る事件が起こった。
あたし影山二葉、17歳。今夜、この鎌倉の家にはあたしと涼のふたりっきり。心臓がドキドキしてる。手が触れあったまま、涼と眼があう。でも-、涼のバンド〈乱〉とあたしのバンド〈ブルー〉は敵対してるの。そのうえ〈ブルー〉のギタリスト慶次郎はリーダーのサブちゃんを殴った犯人が涼だと疑ってる。これじゃまるでロミオとジュリエット。だけど涼のこと、もっともっと知りたいの。
暁里は中学三生年。兄の翔は、人気ロック・グループ“ラヴェンダー”のボーカリストだ。暁里は翔が大好きなのだけれど、父はバンド活動をよく思っておらず、勘当同然の状態が続いている。ボーイフレンドの光とラヴェンダーのコンサートに出かけた暁里は、ある曲の最中、不思議な幻影を見た。ラヴェンダー色の野原で、女性が顔を覆って泣いているのだ。そして傍らには、純白のユニコーンが。
春珂は目を疑った。奇妙な格好をした女性が春珂を迎えに来たと云うのだ!「実はぼくはこの世界の人間じゃないんだ」従兄、雅人の告白に息を呑む春珂。すべては春珂が銀色の鈴を手にしたことから始まった。異世界〈シャドウ〉を救うため、春珂は戦いを決意する。しかし、敵は強大な魔力を持っていた。窮地に陥った春珂の前に現れたのは、伝説上の人物〈真王〉だった-。
俺、岩城健児、十五歳。野球には自信があるけど、学力には自信のなかった俺が、猛勉強して進学校の常盤高校に入ったのにはワケがある。椎野千晶と同じ学校に行きたかったからだ。そう、俺は、千晶が好きなんだ。その千晶の応援が欲しくって、キャッチャーの峰大輔と組んで、甲子園をめざすことを千晶や親友の伊達貴文に宣言したのだが…。恋と友情。そして汗と涙の感動青春物語。
あたし森野りの、16歳。小さなときから転校ばかりで、ホントの友だちができないのが悩みです。8度めの転校で、クラス中の女の子に「妖精のとっておきおまじない」を教えてあげることになっちゃったの。なんで“妖精”なのかって?だれにも内緒。ホントは、あたしね…。
西の大陸から、もの凄い奴がやって来た。金髪、碧眼、妖しの技を使うその男の名は陳雲飄。常ならぬ力と永遠の命を持つ3人の神子、直火、狭霧、厩戸皇子危うし。野に、海に、空に、神子たちの機略縦横の戦いが展開された。古代王朝を舞台に繰り広げられるSFロマン、いよいよ最高潮。大好評シリーズ、嵐が嵐を呼んで、第1部完結。
佐世保で予備校生活を送っていた俊朗と郷田の二人も早や大学4年生。日々是リクルートに余念がない。ところが悪魔主義者たちの魔手は、相も変わらず神の子=彪を狙ってやまない。しかも導師シュワルズは、彪を使って、大東京崩壊を企んでいたのだ。メラニーたち次元ジプシーと共に、俊朗は内定を振ってサタニストに立ち向かう。大東京の命運は、そして二人の就職やいかに。
ダンテ=尾角と甦ったミカエル=鏡を先頭に、大神たちはエジプトからイラクへと向かった。すでに魔都・バビロンが復活していた。そこには、メデュウサ=優佳が囚われているだけでなく、あの大魔王も封じ込められているのだ。そして、サタン救出を図る美しき魔戦士が大神たちの行く手をさえぎる。天使と悪魔、それぞれの熱き思いを込めた決死の戦いは続く。
星から星への宅配業務。フラット&ディムの凸凹コンビ、再び登場。休暇を利用し、109便で星間ラリーに出場した二人。始めは乗り気でなかったフラットも、賞金が出ると聞いて、欲しかったコンピューターが買えると俄然やる気に。が、そんな時、トップグループの宇宙船が次々に謎の失踪を遂げた…。新たなキャラクターを迎え、3本立てでお贈りするシリーズ第2弾。