1993年3月5日発売
「桜」から、何を思いうかべますか?麻衣子は、やっぱり“恋”。だって、日下くんと、花の咲きほこる中を散歩できるから。“桜餅”って答えたのは、もちろん美奈子。でも、これが今回の事件のキーワードに。鎌倉の旧家で、執事を務めていた長谷老人が殺された。金沢へ桜を見に出かけたはずの老人の身に、いったい何が起きたのだろう。現場に散りばめられた桜の花びらと、旅行カバンに残されたお土産に、驚きの真相が。
あたしね、小学校のときも、中学校のときも、ずっと、ずーっと、好きな人がいなかったの。両思いどころか、片思いもなし…。あたし、中村リナ。15歳。今日からピカピカの高校1年生。だけど、今どき、15歳にもなって、こんなのって、めずらしいよね。ところが。なんと、高校の入学式で、好きって思える人を見つけちゃったんだ-。あたし、15年ぶんのパワーをそそいで、がんばってアタックしまくったんだけど…。
大好評の短編集シリーズ。今回はKISSをテーマにした3つの恋物語です。アクシデントで好きな男のコとキスをして気まずくなっちゃう、どきどきストーリー、『卒業までにいいたくて』ケンカばかりしちゃうカップルのラブコメ、『街かどでキスしよう』そして年上の先生へのせつない想いを描く『あのひとは気がついてくれない』あなたは、どのKISSが夢ですか?
アイツのこと、嫌いだったはずなのに…。いちいち、うるさいし、性格悪いし。それに、アイツには、彼女がいる。どうして、こんな気持ちになってしまったんだろう?一緒にいると、すごく幸せだけど、彼女がいるなら、気安く誘ってほしくなんかない。これ以上、好きになっちゃいけないなら、もうわたしに構わないでいて…。わたしは、あなたのことだけ好きなのに、あなたは、ふたりとも好きだって言うの。
国体に向けて、神奈川選抜チームの合宿が始まった。参加するメンバーは、県下の高校から集められた有力選手ばかり。もちろん、昴もその中の一人だ。久し振りのコートで、はりきる昴。だが監督の寺田は、なぜか彼に冷たい。そしてたった一度のテストだけで、昴をレギュラーからはずしてしまったのだ。呆然と立ちつくす昴をよそに、選手たちの練習は始まっていた…。
あれは中学三年生の春。光の中で、ふと足をとめたその人は、とても淋しそうな目をして、校舎を見つめていた…。-あたし、友美。高校二年生。一年前にたった一度逢っただけの男のコが、どうしても忘れられないの。名前すらわからなくて、友だちは「もう、あきらめなよ」って言うんだけど…。でも、ある日、偶然にも彼と再会。あたしは、勇気をふりしぼって…。
ある日突然、あたしの家の同居人になった翔くんは、スポーツ万能、ルックスはモデルばり、おまけに秀才。女のコ人気を独占しちゃう校内一のスーパースター。もちろん、あたしも彼に夢中。少しでも好かれるようにと、奮闘努力シテマス。大好きな男のコとのドキドキの同居生活は、ハッピーな出来事がいっぱいなの…。でも、あたのそんなウカレ気分を冷ますような恐ろしい事件が。嫉妬に狂った眼差しが、あたしの背後に忍びよる。