1994年6月発売
女の子は、みんな、恋愛に夢中。だけど、あたしは、愛とか恋とか、全然興味ないの。あたしの夢。それは、現役高校生でプロのまんが家としてデビューすること。だから、あたしには、恋愛してる暇なんかないんだ。今も、『少女ポプリ』の『新人まんが賞』に応募するために、原稿を描いている真っ最中。ところが、『少女ポプリ』に原稿の持ち込みをしたとき、編集さんに「好きな人をつくったほうがいい」って言われちゃったの…。
わたしたち、とてもうまくいっていた…。そう、わたしがふたりの秘密を知るまでは。それが、こんな辛い想いをすることになるなんて、思ってもみなかった。いまとなっては、すべて遅すぎるけれど、聞かなければよかった。知らなければ…。でも、わたしだけの胸にしまっておかなければいけないの。誰にも言わないって、約束したことだから…。恋って、なんだか複雑すぎる…。
転校生のゆりは、茶色い髪に濃い化粧。いかにも“問題児”って外見で、笑顔すらみせないやつだった。でも、オレは知ってるんだ。ホントは、純粋で、誰よりも優しい子だって。ただ、傷つきやすい心を、必死で隠しているだけなんだ。だからオレ、何があってもゆりを守る。オレが生まれて初めて、“ときめき”を感じた女の子だもんな。だけど…。
太陽の輝くハワイに、日本ユースチームのメンバーは到着した。彼らが参加する環太平洋ユース大会は、目前まで来ている-。試合に向けてはりきるメンバーのなかで、ただ一人、昴だけは表情がさえない。監督が、練習中も昴ばかり叱りとばし、けっしてレギュラーチームに入れようとしないからだ。不調でもないのに…。理由がわからず自信をなくしていく昴に、明るい笑顔はもどるの。
「国がほしいか。ならば、一国をお前にやる」これが、雁州国延王・尚隆と、延麒・六太とが交わした誓約だった。民らが、かつての暴君によって廃墟となった雁国の再興を願い続けるなか、漸く新王が玉座に就いたのだ。それから二十年をかけて、黒い土は緑の大地にと、生まれかわりつつある。しかし、ともに幸福を探し求めたふたりのこどもの邂逅が、やがて、この国の王と麒麟と民との運命を、怒涛の渦に巻きこんでいく。
「半身に分かれた運命の人がいるはず」と、葉月は、手に同じ赤い星をもつ人を求め、南の小島へと旅にでるのだが…。次々と明かされる、自らの過去の因縁。島の聖樹と、星をもつ守り人が呼びおこす大暴風雨の恐怖。葉月にとって、運命の人とは。ふとした偶然で始めた春休みの本屋さんでのアルバイトから、次々と運命の渦にまきこまれる少女と、彼女を守ろうとする少年の、愛の異色ファンタジー。
時をも自由自在に操る時空界の聖戦士、『時渡り』の異名を持つ少年、葵悠司-。黒い写本の最終章を取り戻すため、学校へ向かった悠司を待っていたのは、何者かの、恐ろしいまでの敵意だった。相手を救いたい一心で、呼びかける悠司。が、その前に突如、鎌を持った髑髏-死に神が現れる。永遠に不滅の魂を持つ悠司だが、全身を無残に打ち砕かれて…。華麗なる聖戦士の超自然ファンタジー最終幕。
「むこう側世界」に飛ばされた椿たちは、それぞれ奇妙な運命に遭遇していた。熊のヌイグルミのような〈森の民〉に助けられた椿は不思議な力で、襲ってきた冥獣コカクチョウを倒した。芳野は狩猟用の罠で脚を負傷し、アス=アルの伝役・シュ=ウによって焦赤の館に運ばれた。一方、桂が辰黒の重臣・ネビロスに捕まっていると知ったアス=アルは、ただ一人ネビロスのラボに乗り込むが…。
植物が人間を襲いはじめた。〈邪〉の触手が日常生活の中にまで伸びてきたのだ。不安感から、〈光の使徒〉に救いを求める人々が急増。高まる〈光の使徒〉ブームの中で、最後の敵〈聖母〉が、ついに降臨した。一方、〈竜〉の契約体であることがバレた卓巳は、〈邪〉から直接攻撃をうけた。傷ついて意識を失う卓巳。しかしそのとき、精神世界の中で、はじめて〈竜〉に出会い…!?
祖国フェネルスティが失われて、荒野をさまようユーザ。自責の念から言葉を封じてしまった彼を、カイとユリエは案じていた。魔物の棲む沼に迷いこんで危うく難を逃れたところを、オアシスの民に救われる。若長ラシスに連れられてオアシスを訪れた三人は、オアシスを守護する精霊グレイナスに会った。だが、彼女に近づいたユーザは「レィティアの涙」の宿る左の瞳に鋭い痛みを覚えた-!?
結城琴子は中学二年生。ある日、琴子が描いた青のグラデーションを見て、「きれいな空だな」って言った男の子がいた。彼の名前は、霧島海。自分と同じ何かを持っている気がして、琴子はだんだん彼に惹かれていった。あの人と話してみたい。いろんなこと、たくさん。でも、彼には彼女がいるという話を聞いて…。
あたし、桐生吹雪。ヤクザ屋、桐生組のひとり娘。ケンカと剣道ならまかせて。礼治たちといっしょに、桐生組の敵、堂本組へのりこんだあたし。後藤っていう、恐ろし〜いヤクザにつかまっちゃった。礼治、早く助けにきて。2年生になったあたしの前に、今度は恋の敵が現れたの。憧れの司先輩は、そして礼治とあたしの関係は、どーなるの。
さちよは高校1年生。両親の離婚のため、親戚の家に預けられている。そんなさちよをはげましてくれるのは、同級生の拓実だった。おたがいに惹かれ合ってゆくさちよと拓実。でも、いつもすれ違ってばかり。いつか、こうして抱き合っていられる日が来たら…。別冊マーガレットに連載された不朽の名作コミックが、小説になって再登場。
巨大都市・東京。その湾岸から全長500mにも及ぶ飛行船がバンクーバーに向けて飛び立った。新しい空の時代を開く、超豪華客船「飛鳥」の初飛行であった。時代の最先端を行く招待客を何人も乗せて、船は太平洋上を静かに、静かに東へと進んでいく。だがその時すでに、船内には不穏な風が吹き荒れていたのである。
秘かに憧れていた同僚の舞高園子に声をかけられ、森野マサトは目の前にあった椅子に片足を取られて騒騒しく転んだ。それがマサトを正義の怪人・ロックマンに変身させる大いなる伏線だとは、神の身ならぬマサトには知る由もなかった。ロックマンに迫る山内山製薬の陰謀とは。そして、ロックマンに近づく謎の美少女の正体は。期待の新人が贈る、ヒーロー・コメディー。
シヴァ暦471年のファラ王国の政変が、王女マイの運命を大きく狂わせた。兄であるアンリ王太子の行方は。王権を証明する光王石を隠し持つマイに次々と危難が降りかかる-。90パーセントが海面という水の星の戦いは、最終局面を迎えようとしていた。ナギ船長率いるベガサス・ザ・ドランカー(酔いどれ天馬)の行く手、ますます波高し。異色海洋冒険SF、波乱の完結。