1994年6月5日発売
女の子は、みんな、恋愛に夢中。だけど、あたしは、愛とか恋とか、全然興味ないの。あたしの夢。それは、現役高校生でプロのまんが家としてデビューすること。だから、あたしには、恋愛してる暇なんかないんだ。今も、『少女ポプリ』の『新人まんが賞』に応募するために、原稿を描いている真っ最中。ところが、『少女ポプリ』に原稿の持ち込みをしたとき、編集さんに「好きな人をつくったほうがいい」って言われちゃったの…。
わたしたち、とてもうまくいっていた…。そう、わたしがふたりの秘密を知るまでは。それが、こんな辛い想いをすることになるなんて、思ってもみなかった。いまとなっては、すべて遅すぎるけれど、聞かなければよかった。知らなければ…。でも、わたしだけの胸にしまっておかなければいけないの。誰にも言わないって、約束したことだから…。恋って、なんだか複雑すぎる…。
転校生のゆりは、茶色い髪に濃い化粧。いかにも“問題児”って外見で、笑顔すらみせないやつだった。でも、オレは知ってるんだ。ホントは、純粋で、誰よりも優しい子だって。ただ、傷つきやすい心を、必死で隠しているだけなんだ。だからオレ、何があってもゆりを守る。オレが生まれて初めて、“ときめき”を感じた女の子だもんな。だけど…。
太陽の輝くハワイに、日本ユースチームのメンバーは到着した。彼らが参加する環太平洋ユース大会は、目前まで来ている-。試合に向けてはりきるメンバーのなかで、ただ一人、昴だけは表情がさえない。監督が、練習中も昴ばかり叱りとばし、けっしてレギュラーチームに入れようとしないからだ。不調でもないのに…。理由がわからず自信をなくしていく昴に、明るい笑顔はもどるの。
「国がほしいか。ならば、一国をお前にやる」これが、雁州国延王・尚隆と、延麒・六太とが交わした誓約だった。民らが、かつての暴君によって廃墟となった雁国の再興を願い続けるなか、漸く新王が玉座に就いたのだ。それから二十年をかけて、黒い土は緑の大地にと、生まれかわりつつある。しかし、ともに幸福を探し求めたふたりのこどもの邂逅が、やがて、この国の王と麒麟と民との運命を、怒涛の渦に巻きこんでいく。
「半身に分かれた運命の人がいるはず」と、葉月は、手に同じ赤い星をもつ人を求め、南の小島へと旅にでるのだが…。次々と明かされる、自らの過去の因縁。島の聖樹と、星をもつ守り人が呼びおこす大暴風雨の恐怖。葉月にとって、運命の人とは。ふとした偶然で始めた春休みの本屋さんでのアルバイトから、次々と運命の渦にまきこまれる少女と、彼女を守ろうとする少年の、愛の異色ファンタジー。
時をも自由自在に操る時空界の聖戦士、『時渡り』の異名を持つ少年、葵悠司-。黒い写本の最終章を取り戻すため、学校へ向かった悠司を待っていたのは、何者かの、恐ろしいまでの敵意だった。相手を救いたい一心で、呼びかける悠司。が、その前に突如、鎌を持った髑髏-死に神が現れる。永遠に不滅の魂を持つ悠司だが、全身を無残に打ち砕かれて…。華麗なる聖戦士の超自然ファンタジー最終幕。