1995年6月発売
あたしが片思いしている彼、渋谷克典くん。なんで彼のことが好きになったのかっていうと、彼を見ていると、なんだか、しあわせなシーン、いろいろ想像できちゃうからなの。でも、ぜんぶ、あたしの想像だけど…。そんなあたしが、なんと、突然、克典くんから、告白されちゃったんだ-。あたし、克典くんのこと大好き。そう思ってたんだけど…克典くん、ホントは、あたしが想像してたのとはちがって…。
「片思いのあなた、なかなか告白できないでいるあなた。さあ、恋の悩み相談室へ」わたし・香川シイナは、クラスメートの優馬とチョロQといっしょにクラブを作ったの。西洋占星術や姓名判断、それに、コンピューター占いまで使って、みんなの恋の悩みに答えるってわけ。じつは、わたしも、バスケ部の室町君に片思い。ふたりの相性を占ってみたけれど…。「好き」って言える勇気、ほしいよね。
あたし、秋月りりか。16歳。クラスメイトで幼なじみ、お隣に住んでいた拓哉は、今をときめく超アイドル。クラスの女の子は、みんな騒いでいる。でもね、あたしにとって彼は、なんでも話せる“男友達”なんだ。本当にそれだけ。だって、あたしが好きなのは圭介せんぱいで、そのことだって相談してるし…。とにかく、せんぱいへの気持ちとは別の気持ちで大切な拓哉-のはずなんだけれど。
「お願いです。ついてこないでください。先輩を巻き込みたくないんです。」あたしの言葉は逆効果だった。こんなふうにいわれたら、片桐先輩は、なおさら、ほっとけないって思っちゃうような人…。その結果、なんと先輩まで、大精霊たちの勝負に巻き込む羽目になってしまったんだ。-『戦車』VS『太陽』の戦いの行方は…。そして、ついに、あたしたちと『月』の勝負にも決着がつく-。
あたし、遠野唯。高校2年生。降りだした雨の中、気づいたら、家の近くのこの橋で、川を見つめていた。ちょっと嫌なことがあったときの習慣。そう、三年前にパパに捨てられたあたしは、今日、ボーイフレンドにフラれてしまった。どうして辛いことばかり起きるの。あたしのこと思ってくれる人、どこかにいるの。生きていて、何か楽しいことがあるの。絶望的なあたしの前に現れた男性(ひと)は…。
ルーナとグーリアスがレゼントの港を出て、二か月が過ぎた。目指すは世界の果て。そこに住む賢者に会い、グーリアスにかかった呪いを解くためだ。突然の嵐で難破したルーナたちは、様々な気候の植物が生い茂る不思議な小島に漂着した。そして、二人を追って海の妖魔ラィビュートが姿を現す。しかしその島こそ、世界の果てへの手始め『楽園』だったのだ。『人知らずの森のルーナ』完結編。
春風とともに銀葉亭を訪れた蝶々姫・明蘭には、哀しい恋の想い出があった。ただ一度だけ出会った許婚者・連翹の君との死別によって魂が体を離れ、風精として転生したのだ。鶯の精の仕返しにあい、瀕死の傷を負った明蘭は、李月流らによって命を救われた。その時出会った楓の精・金楓英と、明蘭は新たな恋に落ちるが…。表題作ほか第23回コバルトノベル大賞受賞作『金剛山(くんがんさん)綺譚』収録。
あたし、キャット・プリンセスの一心玉美。『猫になりた〜い』と思っていたら、本当に猫に変身できるようになっちゃったの。犬のチャールズや猫の“ハーレムの政”と知り合って、人間の時よりモテてるみたい…。仔猫のピコから、「ご主人のマサキさんの命が狙われている」と聞いて行ってみると、超美形のマサキさん、車椅子に乗ったまま、火事で燃える家の中に-。どうしよ〜っ。
あたし、水沢ゆか、19歳。夢にまで見た声優人生がようやく始まった…はず、だったんだけど…。オーディションには落ちまくるし、相変らずコンビニでアルバイトの日々なのだ。ある日、犬の役のお仕事が舞いこんできた。役づくりに頑張っていたら、亮ちゃんとすれちがいばかりになっちゃって、突然「もう別れよう」なんて言われちゃったの。
承平七年の平安京に“陰陽寮の化物”と噂される少年がいた。彼の名は安倍晴明-その比類なき呪力と超然とした態度故、陰陽生たちから憎悪と嫉妬の感情をぶつけられているのだ。そんな晴明に、京内を徘徊する妖魔を操っているとの嫌疑がかけられた。果たして晴明は、魔道魔物に与する京の破壊者なのか-。少年時代の安倍晴明の活躍を描いた、著者渾身の伝奇オカルト長編。
ベルドネスの力を借り、ディアスがランバルト皇帝艦の背後へジャグした時、銀河系全域に「銀河人類消滅」を警告する不思議な声が響いた。これまで雨骨石の力で押さえていた全長0.2光年の巨大な方舟が、悪しき進化を遂げた人類を消滅させるために銀河周縁部にその姿を現したのである。ランバルトを操るタタンの少年の妨害をはねのけ、リナは果たして方舟を阻止できるのか-。