1996年3月5日発売
直也とふたりの、初めての九州旅行。本当は、あたしの友人の結婚式に出席するついでなんだけど…。なのに式の直前、新郎が何者かに殺されて、結婚式は中止。誰がいったいこんなことを。でも、あたしが絶対あやしいとにらんだヤツには、しっかりアリバイがあって…。-愛田加奈、女の勘と執念で、事件の謎にせまる。
あたし、工藤由香。高3の受験生。雪山で迷子になったあたしとサキは、怪しげな噂のベールに包まれた恐怖館に、泊まる羽目になってしまったの…。館に集う、曰くありげな客人たち、奇怪な言動をとる女主人。謎は深まるばかりで、怯えるあたしたちはなす術もなく、恐ろしい惨劇の夜を迎えることになるのだった。圭一郎さん、圭二郎さん、早く早く、助けにきて。
河世が千尋をかばって事故死してから、3か月。「時空の運命」から恋人を救えなかった千尋だが、タイムスリップ実験に協力する。ところが、飛んだ五年後には、さらに百年未来からきた、河世の子孫だという太斗が現れた。そして、死んだはずの河世の結婚式が行われていた…。「時空を超えて」第二章。千尋が戦うのは、地球人に横恋慕した、惑星バジャールの王女ランラン。
先生が憎い、愛していたから。あのキスも、抱いてくれた腕も、他の女のものになるなんて…許せない。教師との恋に傷つき、彼を刺してしまった少女が、桜の下で少年と出会った。少年もまた、愛する男を殺そうとしたという。紗綺と皓、夜桜舞う東京から京都へ、失われた恋を埋めるための逃避行が始まる。罪を犯してしまった、ピュアな二人の結末は…。桜の散るころに、永遠に土のなかへ。
花の都ラグーザで、城主ジークムント公より寵愛をうける騎士クィーラ。雅な姿態と艶やかな黒髪、そして両性体という秘密を持ったクィーラが出合う困難とは。まだ成人まえのクィーラが、都じゅうを捜した腕輪とは…(表題作)。城主ジークムントの渇望とは(『甘いあやまち』)。クィーラの不思議な旅(『朧姫』)。セルダム剣士ゆえふりかかった困難と、クィーラの挑戦。「クィーラの花冠」中編集。