1998年7月発売
「家族って、無関心で鈍感なくらいがいいのよ。だからずっと一緒にいられるの」山田家最大のタブー、それは長男・今日介の、姉・明日子への恋愛感情だった。姉といっても、実はいとこ。幼いころ山田家に引きとられた明日子も、両親同様、弟の“初恋”に気づかないふりをしてきたのだが…。ミュージシャンになる夢までも父親に踏みにじられた今日介は、ついにキレて家を飛びだす!そして2年後、思わぬ再会をしたふたりは。
三月のネオ・ミレニアムの事件から数か月。岩長猛を亡くし、亮とも会えぬままに夏を迎えた咲也は、物部財団次期会長お披露目のため、豪華客船に乗船していた。時を同じくして、ネオ・ミレニアムの幹部「クイーン」は、ある男を使っての咲也掠奪を目論む。一方、米国の裏切りにあった亮は、横須賀の米軍施設脱出を図っていた!!光と闇の使者が華麗に舞う、近未来世界のサイキック・アクシヨン・ロマン第三幕。
天本の喉から、苦悶の声があがった。まがまがしいほど美しいーあの人の面影をうつした人形のやわらかな舌が、無抵抗の天本の唇を、ゆっくりと割っていく。(罠だ。…これは、妖しの仕掛けた…罠だ)だが、抗う力は、もはや残っていなかった。(すまない、敏生…)-それが、最後の正気の言葉であったか。追儺師・天本と半精霊・敏生。話題のコンビが百鬼を討つ!ネオ・オカルト・ノヴェル。
ファッション・デザイナーを目指すミシェルは、新人コンクルールに出品するために、ウエディング・ドレスをデザインする。それは、婚約者のエリザベスにプレゼントするドレスでもあった。だが、ミシェルの才能を妬んだベテランのデザイナーがそのデザインを盗作して、コレクションで発表してしまう…。華やかな光の世界から闇の世界に堕ちたミシェルを待っていたのは、宿命の対決だった。
崩壊する香港の空に舞う大地竜。地上では匪天たちと香港商店師団の最後の闘いが始まった。 虐げられた天使たちのため、香港と引き換えに天界復活の悲願を賭けたダブルリーと、人間と天使の共存のため、風水に夢を託し香港を救おうとするアキラ。 相反する兄妹の想いはそれぞれ叶えられるのか!? そして、香港崩壊のカウントダウンは止めることができるのか!?