2000年発売
傭兵団・獣の牙のリュースは、封印の解法を継承し、神獣の支配する地クリスタニアに新たな時代の到来を導いた。封印が解かれたことで、かつてこの地で覇を競いながらも浄化されつつあった妖魔を統べる王をも再び野に放つこととなった。還るべき場所もなく、かの妖魔王はベルディアの地に君臨すべく反乱を企てる。同じ頃。リュース一行は、宿敵である暗黒の民が支配する、ベルディア帝国の王都に向かっていた。その役目も、その目的すらも知らず、彼らは再び大きな時代のうねりの中に巻き込まれていく。神獣の民と暗黒の民、新しき民、そして妖魔。かの地に住まうすべての者の未来を、リュースらの決断が左右するー。
“時の円環”に捕えられ、上古の時代に迷い込んだ魔道師見習いマーニは、ひょんなことから“凶運のチャズ”と行動を共にすることになる。“凶運のチャズ”-名うての盗賊にして、片目の盗賊王ゴヴァナンの信頼も篤い一の頭。だが自らの根城を失ったチャズは、ゴヴァナンから苛酷な代償を課せられる。何と、“森羅の森”に棲む正体不明の化け物・グードゥーを狩れというのだ!マーニはチャズ一味と共に、ひとつ目の怪異達が跋扈する森羅の森に赴くが…。第6回電撃ゲーム小説大賞「大賞」受賞作第3弾。
黄飛鴻。中国広東地方仏山で薬局兼武館「宝芝林」を開く、医者にして拳法家である。6歳より神童と謳われ「十字拳」「無影脚」という必殺技を身につけ、弟子たちの育成にも余念がない。その飛鴻が1901年6月、明治維新から三十余年を経た日本の土を踏んだ。消息を絶った婚約者・十三姨を探すためである。と同時に、革命の拠点を作るために日本に滞在している孫文の身を護るためでもあった。孫文の命を狙う清朝からの刺客・五殺手との死闘、さらには甲賀忍者の末裔、巨漢横綱、凄腕剣士たちの挑戦を受ける。果たして黄飛鴻は、これらの強敵を撃破できるのか?そして十三姨の行方は?新鋭が放つ大活劇巨編、開幕。
季節はもう冬を告げているというのに、この日は暖かな好天だった。あまりの気持ちよさに、のんびりベッドでごろごろ過ごすことに決めたのだった。ささやかな、ほんのひととき。リジィオは幸せを満喫していた。つかず離れず、リジィオと旅を共にするシザリオンとスティンが、行方不明になったという知らせが届くまでのーわずかの至福。ああっ、何故に?弟子を自称するシザリオンが、リジィオに黙って受けてしまった依頼。すぐに終わる見込みがはずれ、スティン共々脱出不可能の迷路に彷徨う。表題作『刻の静寂』の他、リジィオの髪の秘密に迫る『虹色の封印』など収録。待望のシリーズ第四弾。
「吉祥天、おまえの力が欲しい!!」飯綱山の事件で数多くの親友を喪った吉祥天子は、心の傷を癒すため、渋谷区道玄坂にある中学へ転校してきた。だが人の気が多く集まる渋谷は、同時に魔物も多く集う地だったのだ!天子の持つ吉祥天の力を求め、数々の妖たちが道玄坂へとやってくる。そいつらは、封印されていた鬼、桃太郎、そして、かぐや姫…。次々と襲いくる妖たちから天子を守るため、強力な陰陽力を持つ少女遊乱人が、大活躍。陰陽探偵としての力を武器に、おとぎ話に秘められた謎に挑む!あかほりさとるが独自の解釈を加え、日本古来のおとぎ話を現代風にアレンジ。新感覚伝奇アクション第2弾。
焼っけったかな、焼っけったかな、お昼ごはんー至福のときをぶち壊す爆音あたりに響かせて、現れいでるは魔道士姿のおっちゃんと黒装束の暗殺者!今や遅し。満ちる殺気と辺りに漂う緊張感に背を向けて、お魚さんが焼き上がるのを待つリナ=インバースを巻き込み、生殺与奪の陰謀劇は始まった!?世界を制するといわれる『煙の出ない魚焼き網』を狙い、暗殺者が、バカ笑い女がリナと魔道士のおっちゃんを襲う!果たして、この魔法の道具をリナは守ることができるのかっ?ってゆーか、ホントに『魚焼き網』で世界がこの手にっ?いろんな意味で謎まみれな表題作『スクランブル・グリル』に、『呪術士の森』書き下ろし新作『ヒゲ、ふたたび』他を収録した新作短編集。
真っ白だった。 上も、下も、右も、左も、ただ白かった。 「見事に何も見えないな」 「見事に何も見えないね」 「でも、すぐにまた、見えるようになる」 「見えるようになるだろうね」 「ねえ。見えるようになって、目の前にきれいさっぱり何もなかったらどうする? ちょっと嬉しくない?」 「ああ。でも、そんなことはありえないことを、ボクは知ってるからね」 「晴れたら、どうするつもり?」 「そうだな……、ここにいても仕方がないし、ボクにできることもない。出発するだろうな。それだけだ」 人間キノと言葉を話す二輪車エルメスの旅の話。短編連作の形で綴られる、大人気新感覚ノベル第3弾!!
真っ白だった。上も、下も、右も、左も、ただ白かった。「見事に何も見えないな」「見事に何も見えないね」「でも、すぐにまた、見えるようになる」「見えるようになるだろうね」「ねぇ。見えるようになって、目の前にきれいさっぱり何もなかったらどうする?ちょっと嬉しくない?」「ああ。でも、そんなことはありえないことを、ボクは知ってるからね」「晴れたら、どうするつもり?」「そうだな…、ここにいても仕方がないし、ボクにできることもない。出発するだろうな。それだけだ」人間キノと言葉を話す二輪車エルメスの旅の話。短編連作の形で綴られる、大人気新感覚ノベル第3弾。
連邦領に戻った戦艦ナツミに下された処分は、銀河の小国・リルカ王国へ軍事顧問団として赴け、という予想外のものだった。安堵する祐太郎たち乗員一同。しかし現実は違っていた。訪れたリルカ王国は、隣国リルカ共和国と一発触発状態。リルカ共和国にはクォート、ファリナス軍も加勢しており、軍事力はリルカ王国の比にならぬほど強大なものだった。連邦の真の狙いは、ナツミを戦争に巻き込んで、沈めてしまおうという非情なものだったのだ。そして絶体絶命のナツミは衝撃の決断を下す…!!第4回電撃ゲーム小説大賞「金賞」受賞者・橋本紡が贈るSFコメディ第4弾。
殿下の服を買いに行こう、ということでデパートに現れた龍守家のご一行。もちろんただですむわけが無く襲ってきたのは殿下曰く“不届きなじどうはんばいきじゃ”。実際には自衛隊の誇る00式装甲戦闘服で、“エイリアン”VS自衛隊の格闘戦が地上で大勃発し…。一方、宇宙空間では謎の航行体が20光速で地球めがけて突き進んでいた。このままでは地球に激突することが予想され、「突撃丸」の面々は、地球人類を救うためCプラス砲撃を行うことを決断したのだが…!鬼才・古橋秀之が贈るお茶の間スペオペ第3弾、登場。