2001年7月10日発売
歌声が聞こえる。そこは、紅い世界だった。 一面に紅い花が咲き乱れ、隙間なく大地を埋め尽くしている。 何もない、ただ蒼いだけの空が広がる。 ……紅い草原に、再び歌声が聞こえた。 そしてそれが終わった時、最初に聞こえた声が訊ねる。 「これからどうするの?」 別の声は、 「いつかと同じさ。どこかへ行こう」 すかさず答えた。 「そうだね。そうしよう」 最初の声が、嬉しそうに同意した。 そして言う。 「そろそろホントに起こしてほしいなあ。キノ」 人間キノと言葉を話す二輪車エルメスの旅の話。短編連作の形で綴られる、大人気新感覚ノベル第4弾!!
祖父に手を引かれ、トロッコを降りた少年が、その地で初めて目にしたのは、砂混じりの赤い土と、背の低い草地がどこまでも続く荒野、物置にしか見えないみすぼらしい駅。 そして一人の少女だった……。 少年の名前は“若葉”、少女の名前は“アユミ”。 二人は、それぞれの祖父、そして、正体もよく分からないまま居着いてしまったツォウとファナガらと共に暮らし始める。 15才になった若葉とアユミは、台樹国・王都の義務として国家最高機関である<天剣王器>の選抜試験を受けるため、王都に赴くことにーーそれは二人の運命までも変えることとなりーー!? 独特のテイストと魅力的なキャラクターで読ませるニュータイプノベル。
EATと米軍の共同演習に六課に在籍していた面々がアヤカシ役として協力することになり、優樹、大田、虎司、夏純、八牧が久しぶりに顔を合わせる。懐かしさも相まって演習の舞台となった無人島にはどこか弛緩した空気が流れていた。だが、その背後で米軍の恐るべき陰謀が進行していることを彼らは知る由もなかった……。 鵺のネジもまた愛すべき“彼”を殺した人間に復讐を果たすため、その無人島に来ていた。そしてその仇とは……!