2003年2月10日発売
ある大陸の片隅。そこでは、七つの主要都市が先王の隠し子と呼ばれる姫君を擁立し、国家統一を目指して割拠した。その中の一人、七宮カセンの姫に選ばれたのは九歳の孤児カラスミだった。彼女を担ぎ出したのは、武人のテン・フオウ将軍とその軍師トエル・タウ。二人とも、桁違いの嘘つきで素姓も知れないが、「三人で天下を取りにいこう」と楽しそうにそう話す二人の側にいられることで、カラスミは幸せだった。しかし、彼女が十二歳になった時、隣の都市ツヅミがカセンへの侵攻を始める…。第9回電撃ゲーム小説大賞“金賞”受賞作。時代の流れに翻弄されながらも、自らの運命と真摯に向き合うひとりの少女の姿を描いた新感覚ストーリー。
組織の追っ手から逃れるため、湯ヶ崎町から離れることを決心した月島亮史。レレナが両親と住む予定の町に、その住まいを移すことにしたのだが、亮史が行動を起こす直前に組織はいち早く彼の居場所を突き止めた。吸血鬼の“従者”たちで組んだ部隊を湯ヶ崎町へ派遣したのだ。目的は、吸血鬼・月島亮史の捕獲である。その影に暗躍するのは、亮史の過去を知る少女・上弦。彼女は、亮史と同じく、常人を遙かに凌ぐ能力の持ち主、吸血鬼の“主人”であった…。第8回電撃ゲーム小説大賞「選考委員奨励賞」受賞作第4弾の登場。
カーマインの庇護を得た甲院薫は、欧州にて、シューウェンと名乗る少女に出会う。光に向かう獣・ネムエルを崇めるガムナ教団ーその司祭たる彼女は、甲院薫を優しく出迎えるが…!一方、東洋ではついに、沈黙の山之内がその重い腰をあげる。魔窟の笛吹き・スフの影響を受けた沈黙の山之内。紅く紅い巨人・ウォーザイの影響を受けた災厄のカーマイン。人智を超えた異能を持つ二人が今、欧州の地に対峙するー。そして、そのとき、乾真砂達は…!人気の新・神話、第6弾。
おのが観察する事象の成り立ちやその行方を、万象を司る五元素の運行になぞらえて見切る技、五行算法の使い手ー趙五行。趙に率いられた達人たちに囲まれて育った燕児は、ある日、運命的な出会いを果たす。その相手とは、違い昔に滅びし神々-“震人”に関わる者だった!運命の少女と少年は出会い、そして歯車は動き始める…!“勁力”と呼ばれる超常の力、鍛えぬかれた身体、恐るべき武器の数々-全てが渾然一体となったとき、ひとつの世界が現出する…!!鬼才が描く超絶武術ファンタジー、登場。
キーリは教会の寄宿学校に通う14歳の少女。霊感が強く霊が見えることから、神の存在や教義に疑問を抱いていた。冬の長期休暇初日、キーリは“不死人”の青年ハーヴェイと、その同行者の小型ラジオの憑依霊・兵長と知りあう。キーリは、勝手に彼らの旅についていく事に…。様々な亡霊たちとの出会いと別れを経験しながら、キーリはやっと自分の居場所を見つけた気がしていた。しかし、旅の終わりは思いのほか早く訪れる。ハーヴェイが教会の“不死人狩り”に捕まってしまいー!?第9回電撃ゲーム小説大賞“大賞”受賞作。
禁酒法時代、ニューヨーク。裏組織“カモッラ”は重要な儀式を数日後に控えていた。泥棒カップルはグランド・セントラル・ステーションに着いたばかりだった。マフィアの三兄弟はちょっとした問題を抱えていた。チンピラの少年は思い通りにならない現実にムカついていた。職務に忠実な警部補はそんな彼らを疎ましく思っていた。そして、錬金術師の野望は200年を経て、未だついえる事はなかった。彼らはまだ、互いに関わりの無い者同士であった。このマンハッタンに“不死の酒”が蘇るまではー。第9回電撃ゲーム小説大賞金賞受賞作。