2008年8月10日発売
始業式前日。 インフルエンザからようやく回復したものの、精神的にはいまだ立ち直れない竜児に、大河は自立宣言を突きつける。 それは……、他ならない竜児と実乃梨のため。そして幕を開ける新学期。竜児はぎくしゃくしながらも、実乃梨となんとかもう一度向き合おうとする。折りしも学年最後のイベント・修学旅行が目の前に迫っており、竜児はそこで実乃梨の真意を確かめようと決意するがーー。なにやら雰囲気の変わった大河と北村、新学期になってやたらと突き放すような態度をとる亜美。それぞれの思惑を秘めた修学旅行の行方は……!?
霧間凪──彼女は炎の魔女と呼ばれている。人知れず人のために戦う正義の味方。だが彼女の気持ちは誰も知らない。その心の痛みを、そして秘められた宿命を。 日常に潜む悪と、そして世界を裏から監視する統和機構の合成人間たちと凪が死闘を続けている間にも、さらなる邪悪が彼女に迫りつつあった。かつて凪に救われた少女、織機綺が奇妙な影と遭遇するとき、その悪夢は幕を開ける──すべてを呑み込む魔女戦争が。 「正義なんてものは、ただの戯言だわ。真の存在はそんなものを超越しているものよ。善を嘲笑し、悪を弄ぶ──それが我が愛しの宿敵、魔女ヴァルプルギス。じきに私たちは未来を賭けて戦うことになるわ……」 闇の中で微笑むいまひとりの魔女は、凪の運命をどう導いていくのだろうか……?
人魚姫の<泡禍>事件から二ヶ月。一人残された海部野千恵を見舞いに、蒼衣は雪乃と離れ、再び海辺の町を訪れる。そこで起きていたのは自殺した琴里に絡む惨劇。琴里の死を悼み臣が持ち帰った白いユリは、ただ静かに風に揺れていた──。
【3年ぶりだね、日本の紳士淑女諸君! お待たせしてしまったねえ。ふむ、諸君との友愛関係を祈り、今宵は吸血鬼と人間の関わりについて話すとしよう】 【ドイツ南部にて発生した、村人達の集団失踪事件。我々の『組織』はその事件について会議を開く事になったのだがーー時を同じくして、ミヒャエル君がある決意を胸にグローワース島を飛び出したようだ。当然ながら、そんな彼を追って我が娘のフェレットも島を飛び出し……そのまま若い男女の甘酸っぱい追走劇になれば良かったのだがね】 【人間と吸血鬼の男女。この組み合わせが生むのは果たして悲劇かロマンスか……過去と現在の物語の中で、君達がそれぞれの思いを抱いてくれれば幸いだ】
赤松祐樹に“シフト”していることを打ち明けたクラスメイトの高嶋空。彼女もまた祐樹たち同様「夢の世界」を冒険する少女だった。だが、何故か空の“シフト”は他者とは異なり、ことあるごとに身体が激しい“痛み”に襲われる。奇妙な現象に悩まされながらも祐樹の勧めもあって、空は向こうの世界で出会った女戦士・カレンとの旅を続けていくが、その旅はやがてーはたして空の身体に何が起こっているのか?『悪魔のミカタ』の著者・うえお久光が贈るモダンファンタジー、第3弾。
重傷を負いながらも、大宮から危機一髪で脱出した慎吾。慎吾たちは熊谷コミュニティに身を寄せることになる。大宮を落とした西東京協和国は慎吾を追うように進軍を始める。次々と各コミュニティを吸収し、大勢力となった協和国は関東の大きな脅威となりつつあった。熊谷は他のコミュニティに援軍を求めるが、協和国を恐れる指導者たちは傍観を決め込む。熊谷単独で戦うことを覚悟せざるをえない状況。慎吾は敵の情報を得るため、矢上と二人で協和国陣地の奥深くへと潜入するのだが!?鷹見一幸が贈る「リセットされた世界の物語」待望の第2弾。
自分にはツキがないなんて思っている人はいませんか。もしかしたら幸福の天秤が不幸に傾いているのかもしれません。優哉はそんな天秤が見えてしまう、不思議な男の子です。 いつもニコニコかわいらしい顔で微笑んでいる優哉は、不幸な人を見ると放っておけません。相棒の我王に「人がよすぎる」と言われてもニコニコするだけ。ほら、今日もまたー。優哉のやり方は少し変わっています。優哉は不幸な人に出会うと「握手しよう」と言うのです。すると握手をした人は、彼の幸運を分け与えられー。 これは日常の中にある、優しさと救いの物語です。
はじまりは、一枚のイラストだった…。手紙を手にして背中あわせで佇む少年と少女。この、西E田の描いた一枚のイラストからすべてがはじまった。電撃作家11人と、イラストレーター6人に依頼されたのは、「このイラストから想起された物語を、文章・イラストで紡ぎ出す」というかつてないもの。果たして、いかなる物語が紡ぎ出されるのか…?「電撃hp」で好評を博した人気企画「電撃コラボレーション」、待望の文庫化第一弾。
体育祭、いよいよ迫るっ!! 意気込みも高まるフィアたちのもとを、ひょんなハレンチイベントとともに訪れたのは……。 「……ふぇ゛」 無口なぼんやり不思議少女だった!? しかもこの子、なにやらミョーなニオイがしますが、もしかして……? 厄介事がまたまた巻き起こる予感が俄然高まるただ中で、果たして無事に体育祭を乗り切ることができるのかっ!? フィアの創作ダンスの行方にも大注目の第4巻ですっ☆
遥奈原初雪様。 校内一と誉れ高き麗しのお嬢様。 完璧な容姿と物腰でクラスでも信頼が厚い…… のですが、そんな彼女にも悩みがありました。 それは “自分の思考が他人に流れてしまう” こと。 思春期ど真ん中な彼女は、ついついえっちな──もとい、扇情的な妄想をしてしまい、それが他人へ伝わってしまう危機的状況に……。 そんな初雪様を守るため、織人様が孤軍奮闘(七転八倒)するのでございます。 ええと、「陰陽道」 はどこにいったのでしょう……?
クリスマス・イブに事故った不幸な高校生・東司。退院した彼の部屋に、ある夜忍んで来た美少女は言った。「あなたを轢いたのは、わたしです。-トナカイの引く“ソリ”で」不法侵入者で轢き逃げ犯(!?)で自称サンタクロースな美少女は、東司を轢いてしまったお詫びに、なんでも一つ欲しい物をプレゼントしてくれるという。寝ぼけた東司は、うっかり「君が欲しい」と言ってしまいー!?第7回電撃hp短編小説賞「大賞」受賞・佐野しなのが贈る、天然サンタ少女が巻き起こすちょっと不思議な物語、開幕です。
はじめてのライブを終え少し距離が縮まったナオと真冬は、息つく暇もなく二学期のイベントシーズンを迎える。合唱コンクールに体育祭、そしてフェケテリコ初の単独ステージとなる文化祭。神楽坂率いる民俗音楽部の面々は、ときに敵としてときに仲間としてしのぎを削る。そんな折、真冬の前にひとりのヴァイオリニストが現れる。ジュリアン・フロベール。通称ユーリ。いたいけな女の子みたいな見た目で、真冬に気安く接する彼は、かつて共に演奏旅行をした仲だという。さらに彼の出現を境に真冬の指が動くようになり、ナオの動揺を誘うがー。おかしくて少しせつない、恋と革命と音楽が織りなす物語、第3弾。
八年前、霧沢景介の姉は失踪した。 二年前、灰原吉乃の親友もまた、同じように忽然と姿を消した。 似通った傷を持つ吉乃に親近感を持っていた景介は、未だ塞ぎ込んだままの彼女に対して昔の自分を見、どうにかしてやりたいと思う。 しかしそんなふたりの前に、街に潜んでいた異物が姿を現す。 人間ではない 『一族』── その頭首の娘、枯葉。 彼女が連れてきたのは、運命か、それとも悲劇か? 藤原祐×椋本夏夜が贈る伝奇ファンタジー、ここに開幕!