2015年2月11日発売
19世紀末、夏のロンドン。服飾業界で冬物の受注が始まる中、ジェレミーの仕立て屋にも、冬服の新調に訪れる客の姿が。店に居候する貴族にしてデザイナーのエドガーは、世間話から客が恩人を探していることを知り、探偵ごっこと称して調査を買って出る。しかし目的の人物は毒殺事件の容疑者として連行されてしまう!黙秘を続ける彼に困った警察は、ジェレミーとエドガーの元に彼が所持していた布を持ち込む。ジェレミーは、それが大手メゾンの防水生地で特注した何かだと見抜くが、果たして事件の真相はー?
周期的に発生する天災『星の災禍』により、故郷と家族を失った少年・ラッカウス。今は聖都で神官としての教育を受ける彼だが、その心中には常に疑問があった。「『星の災禍』とは何なのか」次の犠牲者が出る前に答えを知りたい。衝動的に禁忌の森へと忍び込んだ彼は、無垢なる少女シースティと出会う。彼女に惹かれ、人目を盗んで森に通うラッカウスは知らなかった。彼女が、触れてはいけない世界の秘密に繋がっているということを…。
高野山に佇む『春寿堂』は、狐の妖怪・玉藻が営む和菓子屋さん。今日も常連さんや“あやかし”が、事件を携えてやってくる。季節は冬。あやかしが見える体質のせいで春寿堂で働き始めた名月は、雪景色にふさわしい和菓子をしつらえていた。そこへ訪れたのは一匹の子狐。彼の注文はなんと玉藻への弟子入りだった。すると玉藻は一計を案じ、名月と子狐に和菓子の名付け対決を命じる。果たしてその真意や如何に?時にやさしく、時に賑やかに。繋がる“縁”が描き出す、和菓子とあやかしの物語。
久遠明が身を寄せる、あやかし事件の集う店・遠鳴堂に、珍しく表の仕事の古書修禅依頼が舞い込んだ。その客は叔父・倫太郎のかつての相棒・志野。彼女と思い出を語る倫太郎に、明はなぜかやきもきしつつ、志野が持ち込んだ本に眠る想いを知ろうと鳴弦の力を使う。その行為が、明の両親と倫太郎にまつわる、悲劇的な過去を紐解く引鉄になるとも知らずに。真実を知り動揺する明。その時倫太郎は、ひとつの決断を下す。「-さようなら、明さん」遠鳴堂の住人たちの絆の行く末は、果たしてー?
夏休み前日。町の駄菓子屋凸凹堂で、存在すら怪しまれていたアタリくじを引きました。景品は、なんのへんてつもないドロップです。でも、一粒なめると不思議な力が身について…。それからおかしなことばかり起こります。生き物と会話ができたり、ヘンテコな夏風邪がはやったり。凸凹堂の店主・銀紙ばあも姿を消してしまいました。もしかして、これもドロップのせい?ドロップと銀紙ばあ、銀紙ばあとお父さん、お父さんと凸凹堂。今まで気づかなかったわたしのヒミツをめぐる、ひと夏の冒険です。