2016年12月6日発売
兄が宝石泥棒の疑いをかけられたことで、王城の嫌われ者となった伯爵令嬢・エリセ。冷たい仕打ちと孤独に毅然として耐えるその姿を、若き国王コルデが見初める。だが、罪人の妹と噂される自分と彼が結ばれることは許されないと自制し、求愛を頑なに拒み続けるエリセに業を煮やしたコルデは、感情のままに荒々しく彼女の身体を奪おうとする。いけないと知りながら、与えられる快楽に溺れるエリセは!?
各務コーポレーション不動産部には、泣く子も黙る地獄の閻羅王の住まいの名を冠した通称「森羅殿」という部署がある。それはここのメンバーが、一般社員と異なる特殊な業務に就いているから。その業務とは自社管理物件がらみの“この世ならざるもの”の苦情処理。配属されたばかりの新人・槇良実と、単なる出入りの花屋の店員でありながら、誰より退魔能力の高い漣蓮之介は、問題の物件に乗り込むが…。
待降節に華やぐロンドン。一年に一度の新人デザイナーとモデルの卵たちによるファッションショーが行われた。スーザンは、そのランウェイを歩くことに賭けていた。だが夢は叶わなかった。失意の彼女の指には、エジプトで拾った赤い石がはまった古い指輪が、禍々しく光を放っていた。一方、ウエストエンドの骨董商ミスター・シンの店で異変が起き、アシュレイが巻き込まれてしまう。ユウリはシモンの力を借りて、スーザンとアシュレイを救えるか?
居酒屋「のぶ」が異世界の古都と繋がってから約半年の月日が流れ、季節は夏から秋へ。常連となったお客たちにはお気に入りの料理ができたようで、「イツモノ!」という注文の声が上がる。そして新しいお客も「のぶ」を訪れる。放浪の女傭兵、詩人を目指す放蕩息子とその付き人の料理人、さすらいの吟遊詩人、そして黒いローブを纏った老女。居酒屋での出会いが人と人を繋いでいく。温かな異世界グルメファンタジー、第2弾。