2018年12月5日発売
時の権力者・豊臣秀吉の起こした戦で、異国生まれの母を亡くした赤髪の少女ー千寿。成長した彼女は母の仇を討つため、鉄砲鍛冶の養父が造った唯一無二の鉄砲“でうす”を携え、太閤秀吉が城を構える京の都を目指す。一方、出羽の武将・熊谷八郎成匡の末娘晴姫は、秀吉の甥である関白秀次に輿入れの道中、賊に襲われたところを千寿に救われる。これがきっかけで千寿は晴姫の護衛となり、共に京を目指すが…。
「恋する石」というウェブサイトで、夢が叶うと評判のパワーストーン・アクセサリーを製作販売しているオリヴィア。彼女が身に着けたハーキマーダイヤモンドを見たユウリは、その石が特別なものだと感じた。一方、ベルジュ家所蔵の宝石類が、ルーブル美術館で企画展示されることに。シモンはアシュレイから、タイタニック号と共に沈んだベルジュ家に因縁のあるダイヤモンドが引き上げられたという情報を得るが。
京都での出会いが起こした、小さな、確かな奇跡。 就職も決まった短大二回生の秋、篠崎千晴のもとに叔母から奇妙な依頼が舞い込んだ。ずっと存在を知らされていなかった「叔父」に届けものをしてほしい、というものだった。戸惑いながらも、千晴はある箱を持って彼を訪ねるが、その中身はーー。出逢いが出逢いを呼び、人との縁が人生を確かなものにしてゆく。孤独な半生を送ってきた千晴が最後に見つけた場所とは……。京都の街が舞台の、涙が頬を伝い、胸が熱くなる再生の物語。 ■著者 富良野馨(ふらの・かおる) 京都市在住。『少女三景ー無言の詩人ー』が新書館「第2回ウィングス小説大賞」にて優秀賞を受賞。2016年『雨音は、過去からの手紙』(マイナビ出版)でデビュー。
佐藤真白は、義肢のリハビリ専門病院で事務スタッフとして働いている。外見が生身の女性と 寸分違わぬ精巧さで作られているが、実はある研究機関から送り込まれたアンドロイドだ。ある日、院内の庭で散らばったカードを集めている青年・響に 声をかけられる。響は事故で左腕を失い、義肢のリハビリのため病院へやってきていた。屈託 なく笑う快活な響とのふれあいの中で、真白の中で処理しきれない感覚が生まれて…。