2019年10月4日発売
高校最後の夏休み。元競泳部員の僕は、市民プールで監視員のバイトをすることに。ある日、競泳選手用の水着を付けながら、まったく泳げない少 女と出会う。「ひぐらし」と名乗る少女は、無表情で淡々と水中でもがく。僕は思わずひぐらしに声をかけた。それが僕たち の「失われる恋」の始まりとも知らずに……。信じる愛は奇跡を起こすのか!? 感涙の純愛ストーリー。
隠れ家カフェ「秘密の花園」にようこそ。 花の香りと美しい青年に、悩みも孤独も疲れも、 心から癒されます。 <STORY> 慕っていた兄の婚約にショックを受けた高校1年の滝川英美里は、思い悩むあまり道端で気分が悪くなり、同級生の伊庭健に助けられる。兄の店だと連れてこられたのは、住宅街にひっそりある隠れ家のようなガーデンカフェ。その美しい庭に魅せられ、英美里は優しく微笑んで迎えてくれた美青年の店主咲良に、誰にも言えない悩みを打ち明ける(第1話 キョウチクトウの誘惑)。 美しい庭の花とあふれる香り、甘いお菓子で訪問客を癒す、花カフェをめぐる目にも心にもやさしい物語。 <目次> 第1話 キョウチクトウの誘惑 第2話 ライラックの憂鬱 第3話 レンゲソウの窮地 第4話 花冷えの日 あとがき 装画:香魚子 <著者メッセージ> この物語のテーマは『癒やしと救い』です。 身も心も疲れ切ってクタクターーそんなときに読みたくなる本をイメージして作りました。 私自身がそんなふうに疲弊していた時期に、癒やしを求めて書いたお話です。 なので、自分の好きなものを詰め込みました。 見るだけで気分が華やぐ花々、香りで癒やしをくれるハーブ。 甘くて綺麗なスイーツ。そのときの気分で選ぶ、様々なドリンク。 ほっと一息つける隠れ家カフェ、ほどよい距離感で接してくれる、素敵な店長。 そして、ハラハラドキドキもほしいーー各話に必ず主要人物の『秘密』を。 カフェのイメージは、その名のとおりバーネットの名作『秘密の花園』です。 思いがけず出会った、自分だけの秘密の場所。 外とは隔絶された別世界で、花や木々に囲まれているーー。 実在のカフェではなく、自分の理想をイメージして創作しました。 (あとがきより)
就職活動がうまくいかず、気落ちしていた奈留美は、「働く人を探している」と聞いて谷中の小さな洋食屋を訪れた。その店「紅らんたん」は、厨房担当の男性と、自分の母よりもかなり年上に見えるのにキリっと若々しい女性とが二人で切り盛りしており、奈留美はアルバイトに入ることに。働き始めてみると、店の客は近くに住むお年寄りがほとんどでー。名物ハヤシライスと美味しいコーヒー、マイペースなお客様たちに癒される、静かな物語。