2023年8月3日発売
派遣切りにあい求職中の七穂は、 疎遠になっていた親戚の隆司が鬱で休職したと聞く。 エリート街道まっしぐらのイケメンだった隆司だが、 今や祖父の残した古民家に閉じこもり、 盆栽いじりと居ついた猫の相手をするほかは、 万年床で寝るばかりのとぼけた青年になり果てていた。 抜群の家事能力を生かし隆司のお食事&見守り当番として奮闘する七穂だが、 やがて彼が休職した本当の理由を知り……。 心もおなかもやさしく満たされる、おとなの夏休み物語。 巻末レシピつき! ■著者プロフィール 竹岡葉月(たけおか・はづき) 1999年度ノベル大賞佳作受賞を経てコバルト文庫よりデビュー。以降、少女小説、ライトノベル、漫画原作など多方面で活躍する。著書に、「おいしいベランダ。」「谷中びんづめカフェ竹善」「犬飼いちゃんと猫飼い先生」などの各シリーズ、『恋するアクアリウム。』『つばめ館ポットラック〜謎か料理をご持参ください〜』『音無橋、たもと屋の純情 旅立つ人への天津飯』など多数。
【文豪・泉鏡花の少年時代を綴る、明治怪奇ミステリー!】 時は明治21年ーー。 古都・金沢で働く人力車夫の義信は、英語を学ぶために訪れた私塾で、寄宿生ながら英語を教える風変わりな美少年・泉鏡太郎(のちの泉鏡花)と出会う。 高い受講料に断念しようとする義信に、鏡太郎はあるものを提供することで受講料を免除にすると持ち掛ける。 それは”怪異の噂”を持ってくること。 義信は鏡太郎とともに明治の金沢で起こる不可解な噂の真相を調べに、様々な場所へと出かけることに。 お化けのでる武家屋敷、雨乞い後に必ず死ぬ巫女、金沢城跡に現れる幽霊など……はたして本物の怪異は存在するのかーー? おばけ好きな偏屈美少年と人力車夫の青年による、明治怪奇ミステリー開幕!