2024年3月23日発売
屈斜路刑務所の暴走に乗じ、体を乗り換えて脱獄を果たした《最初の七人》フェリセット。 追月探偵社に転がり込んできた彼女(?)とともに、朔也たちは依頼を受けとある脅迫事件に取り組む。 さらにフェリセットから伝えられた父・断也の伝言「遠からず世界はオカルトとロジックが入り混じる」を受け、オカルト考古学者を名乗る母・追月薬杏を探すため横浜へ向かうことに。 訪れた廃教会では、論理では説明できない""視えざる世界""を予感させる出来事が次々発生し──。さらに、死なない朔也に最大のピンチが訪れる!? ゴーストと探偵が交差するシリーズ第五弾。「渦巳山の眠れる姫君」他3篇を収録。
《虚空暦録》の正体を知った俺・君塚君彦は、名探偵らと共に欠けた世界の記録を修復する最後のピース《システム》へと辿り着く。 そうして《大災厄》にまつわるすべての記憶を取り戻すのだがーー 「必ず、戻って来て」 「ああ、世界を救った後でな」 それはかつて仲間と交わした固い約束。 眠り姫を目覚めさせ、ハッピーエンドへと至る道標。 だが《特異点》に課せられたのは、とある究極とも言える選択で……。 探偵はもう、死んでいる。 ままでは決して終わらせない。 あの日そう誓ったからこそ俺は選ぶ。 ーーたとえ後にこの俺が《大災厄》と呼ばれようとも。
ありふれた人生を嫌い、現実逃避のように漫画家という夢を追いかけていた北斗。 そんな彼の前に、ユリは突然現れた。 「ワタシのヒマな時間を、キミがおもしろくしてみせてよ」 北斗の漫画のファンを名乗る彼女の感想に励まされたり、取材と称して疑似恋愛をしてみたり。そんなユリと過ごす日々にいつの間にか励まされていた北斗。嫌っていたはずの、ありふれた幸せの尊さ。 しかしある時、彼女の記憶も、想いも、大切なものが少しずつ消えてしまっていることを知り……。 「僕はあなたを、ありふれた人生にしてみせる」 この残酷な世界でも、僕らの幸せは誰にも消せない──。これは、今はもう消えてしまった、美しい恋の物語。
間もなく、総合実技テストが始まる。実際の街中で発生する大量の模擬事件を解決するという、実践的な推理力を測る試験。推理の速さと正確さを弱点とする不実崎は、対策として詩亜達とチームを組むことに。 そんな彼らの前に現れたのは、かつて不実崎を冤罪に陥れた同級生・穂鶴黎鹿だった。試験システムをハックして高得点を獲得する穂鶴に歯噛みする面々。 さらに試験の一部は学園が用意した模擬事件ではなく「本当の事件」であることが明らかになり!? 現実と虚構が入り乱れる中、穂鶴が不実崎自身を殺人犯として告発してきて!? 「被害者の不在証明」を巡る、超絶論理の第三弾!
ヴォラキア帝国の存亡をかけ、『魔女』率いる屍人の軍勢との最終局面へ突入するナツキ・スバル。城塞都市が大軍の足止めに籠城戦をする中、スバルたちは『大災』の狙いを挫くため、再び帝都の五つの頂点の攻略へ挑む。龍虎相搏ち、雷鳴が大地に轟き、天空は氷炎に支配され、茨の冠に狼牙が迫り、燃える慈愛が妄執を打つ。いずれも世界の終わりを描くような激闘、その果てにスバルたちは宿願の成就を望むスピンクスの虚ろな眼と対峙してーー。 「幸せな夢を見ている暇なんてありません。--辛く苦しく、愛しい現実が待っているので」 大人気Web小説、死闘と切愛の三十七幕。そこにあなたがいないなら、私は世界を望まない。
短編集第十弾は、多くの人間の思惑と陰謀が渦巻く物語。王選候補者であるフェルトと騎士のラインハルトを主人公に、五大都市の黒社会との激闘を描く『フランダース騒乱』。現代に蘇った『魔女』オメガが、二人の連れの少女と共に極寒の雪の山荘に閉じ込められ、そこで起こる殺人事件の解決に奔走する『One Wild Night』。 本編だけじゃ知り尽くせない、それは彼女たちに巻き起こる他にはない異世界生活。 「--ひょっとすると、殺人鬼はワタシたち全員を殺すつもりなのかもしれないね」 全編Web未掲載。出会いがあれば別れがある。それを知るための物語が、ここにもある。
俺、積木来都(つみき・らいと)は未来が視えるーーだから、このままだと破滅の未来を迎えてしまう世界を救うために、ある決断をした。 それは、最強の正義の味方・捕獲者(ハンター)の養成機関である永彩(えいさい)学園の内部で完全犯罪組織の黒幕となることだ。 無敵のお姫様怪盗、暗殺一家の箱入り娘、国民を騙した天才詐欺師、ギャルマッドサイエンティストーーとびきり優秀で頼もしくハチャメチャな仲間をスカウトし、“完全犯罪”を成立させて未来を改変していくこと。そして世界を破滅させる真の黒幕を暴き、学園に蠢(うごめ)く闇の秘密結社を出し抜き戦いを制する。 すべては未来を、いや、彼女を救うためにーーでは、黒幕の暗躍をお見せするとしよう。
番(つがい)--それは生まれ変わってもなお惹かれ続ける、唯一無二の運命の相手。 パイ屋を営む天涯孤独な娘アデリエーヌは、竜族の第三王子の番に選ばれた前世の記憶を思い出した。長命で崇高な竜族と比べて、弱く卑小な人間が番であることを嫌った第三王子に殺された、あの時の記憶を。再び第三王子の番候補に選ばれたという招待状がアデリエーヌのもとに届いたことで、止まっていた運命が動きはじめーー。やがて、前世の死の真相と、第三王子の一途な愛が明かされていく。 【登場人物】 ・第三王子 とある理由で名を奪われた竜族の王子。前世のアデリエーヌとは関わろうとしなかったが……。 ・アデリエーヌ 第三王子の番として、竜族の王宮で暮らした人間の娘。生まれ変わり、今はパイ屋を一人で営んでいる。 プロローグ 蘇った前世 日常 竜族の住まう国 崩れた平穏 避難先は男爵家 新しい生活 王立図書館へ 盗賊襲撃、つかの間の再会
惜しみない優しさをくれるこの方を、わたしは知らない。 春を迎えれば贄姫エデルが辺境の国オストロムの黒狼王に嫁してきて丸三年になろうとする頃。義理の妹リンテと訪れた領主の館で、謎の占い師にオストロムに来てからの記憶を封じられてしまう。記憶が戻らないエデルに変わらない愛情を向ける黒狼王オルティウスだったが……。 ーー彼の人が愛しているのは、記憶を失う前のわたしーー もどかしい思いと不安に苛まれる中、さらなる困難が降りかかる! 運命の恋を取り戻す、波瀾万丈のシンデレラロマンス第2シリーズ第1巻。 プロローグ 第一章 第二章 第三章 エピローグ
三つの時代をまたぎ紐解く、鎌倉文庫の謎 まだ梅雨の始まらない五月の終わりの鎌倉駅。よく似た顔立ちだが世代の異なる三人の女性が一堂に会した。 戦中、鎌倉の文士達が立ち上げた貸本屋「鎌倉文庫」。千冊あったといわれる貸出本も発見されたのはわずか数冊。では残りはどこへーー夏目漱石の初版本も含まれているというその行方を捜す依頼は、昭和から始まり、平成、令和のビブリア古書堂の娘たちに受け継がれていく。 十七歳の「本の虫」三者三様の古書に纏わる物語と、時を超えて紐解かれる人の想い。 プロローグ 第一話 令和編『鶉籠』 第二話 昭和編『道草』 第三話 平成編『吾輩ハ猫デアル』 エピローグ
お互いに片想いだと勘違いしたまま政略結婚生活を送る、ソフィーナとフェルドリック。 敵国の侵攻による兄の窮境を知ったソフィーナは、戻らない覚悟で城から抜け出し、二人の従者と共に祖国ハイドランドへと向かう。一方、残されたフェルドリックは彼女の身を案じ、救出のため手を尽くしていた。すれ違ったまま離れてしまった二人だったが、それぞれの地で互いへの想いは募っていきーー。 素直になれない二人の恋の行方は!? 究極のすれ違いロマンス、大波乱の第2巻! 【登場人物】 ◆ソフィーナ ハイドランド王国第二王女。政務に通じている聡明な姫ながら地味な容姿がコンプレックス。 ◆フェルドリック カザック王国王太子。誰をも魅了する美青年だが、内面は辛辣。実はとある葛藤を抱えている。
京都府K町の社会福祉協議会で、新米ソーシャルワーカーとして働く二ノ瀬丞の仕事は、困り事を抱える人々の相談に乗り、手助けをすること。 人口2万人の小さな町だが、この社協には様々な相談が寄せられる。高齢者の手続きや支払いの代行、生活困窮者への食糧支援、社会的孤立に対する継続的な見守りなど。 時にはやるせない結末を見届けながら、この社会で生きる“誰か”の生活を支えるために、丁寧に寄り添っていく。そんな二ノ瀬のもとに今日も新たな相談者が現れてーー。 京都の社協を舞台に、新米ソーシャルワーカーが紡ぐ、どこまでも優しい7編の人間模様。 終わりの要件 「また、いつか」 家族が待ってる 進むみち 君と想い出を乗せて 私の気持ちを聞いてよ 僕はソーシャルワーカー