作者 : ウチヤマユージ
殺人未遂罪で逮捕されたストーカー・長谷川幸慈(67)。 被害者は若き対象女性ではなく、 盗撮を妨害した3人の男性だった…。 逆恨みに思える供述に隠された違和感と老人の想い…--。 分不相応にも抱いた恋が実る時、 真実が明らかとなるーー。 異才・ウチヤマユージが 現代日本の“今”を鋭く描いた、 ヒューマン・サスペンス堂々開幕ーー‼
都内から千葉県に引っ越してきた大島一家。一人娘の真琴は地元の中学に転校し、穏やかな生活を送っていた。 一家の秘密が知られるまではーー。ある凶悪犯罪と、加害者家族の末路。終わらない悪意の渦が一家を襲う時、人の暗部が暴かれる。 罪と罰、同調圧力、正義の押し付け…。現代社会の病巣を、奇才オチヤマユージが鋭く抉った、衝撃のヒューマン・サスペンス堂々登場!!
嵐の夜、山道に迷った男は廃屋で一夜を明かす。しかし廃屋と思われたその家には老婆が独りで住んでいた。さらにその家は「よくぞこれだけ!」と思われるほどのゴミに溢れたゴミ屋敷であった。行き場のない男と、どこへも行けない老婆。ワケアリの二人の孤独な魂が共鳴し……。前作「よろこびのうた」では実際にあった事件を題材に日本の問題をあぶりだしたウチヤマユージが、今作でもまた人の心の暗部を優しく掬い、そして救う。
北陸の勝野市、田園地帯の集落で火葬場から老夫婦の焼死体が見つかる。警察は老老介護の末の心中と結論付ける。事件から半年後、東京で週刊誌記者をしている伊能は取材ため勝野市を訪れる。近隣住民の口は重く難航する取材のなか伊能は、地域の雑貨屋の駐車場に残る濃いタイヤ痕、焼死した夫婦が事件の半年前に車を買い替えたこと、挙動不審な小学生という三つの『不自然』に気付く。それは事件の深淵へ至る第一歩であった。 #1. 煙と水 #2. 水と車 #3. 車と縄 #4. 老老介護 #5. 限界集落 #6. 虐待 #7. 裏稼業 #8. 地獄絵 #9. 記憶 #10. 焼身