作者 : 宇山佳佑
──晴人くんに会いたい。最後にもう一度だけ──…。 晴人からプロポーズをされた美咲。嬉しいはずの言葉だったが、自分の病気を知られたくないと、本心を隠してしまう。“ファストフォワード症候群”人より早く年を取る病に罹った美咲は、晴人に別れを告げた。懸命に病と戦う美咲の気持ちに反してみるみるうちに衰えていく身体や変わっていく見た目…。自分の命が残り少ないことを自覚し、生きる意欲を失いかけていた時、晴人がやってきて──…。
──好きな人と生きてゆくための、たったふたつの言葉。“ごめんね”“ありがとう”── 「ライフシェアリング」により生き返った日菜と誠。残酷な“奇跡”を受け入れ、苦難を乗り越えてきたが、残された余命は二人であと十四年、一人で七年と迫っていた。そんなある日、夢の家の建設の話を持ちかけられる。喜ぶ二人だが、最大の試練が待ち受けていて──…?
──この雨はきっと、愛する人を想う、“恋の涙”── 「ライフシェアリング」により生き返った日菜と誠。しかしそれは、二人で二十年の余命を与えられ、幸福や不幸を感じることで命を奪い合う、残酷な奇跡だった。仲良しカップルだったはずの二人は、その制度により、心が離れていってしまう。互いの幸せと命を両立させることは難しいのか──…?
桜のように儚く美しい恋の物語── 美容師の美咲は、カメラマン・晴人のカット中に、大きな怪我をさせてしまう。治療の終わった晴人になんでもすると必死に謝罪したところ、デートに誘われ二人で桜を見に行くことになる。不器用だけど一生懸命な晴人に、少しトキめく美咲だったが、彼のついていた大きな嘘が発覚。デートは思わぬ事態になるものの、二人の仲は近づいていく。そんな中、美咲は謎の体調不良が続き、大学病院で検査をする事になり……!?
──恋人たちに訪れる、甘く切ない“奇跡”── カフェ店員の日菜は、駆け出しの建築家・誠と、鎌倉の古民家で二人暮らし。金銭的に楽ではないものの、大好きな恋人との生活は幸せいっぱい。そんな中、二人は交通事故で瀕死状態になってしまい、謎の案内人から提案された「ライフシェアリング」という奇跡の制度を受けて生き返る。しかし、奇跡によって、日菜と誠の関係は変化していき……!?