作者 : 宮尾行巳
【現代オカルト怪異譚、完結!!】 異変を感じ出した玲に、刻一刻と人間らしくなっていく鵺。 それぞれの在り方に悩む2人の前に、 玲そっくりの姿をした、新たな怪異が現れるーー。 自分自身と向き合い悩む彼らの行方は…。 怪異と人間の狭間で揺れる オカルティック人間劇、遂に決着。
幼なじみの真奈の家から奇妙な箱を見つけた叶多。箱の中には中世日本が存在し、そこに干渉した結果、真奈が消え真樹という別の幼なじみが現れる。一度は真奈のいる世界を取り戻した叶多だったが、再び真樹のいる世界へと戻り、真樹と真奈の二人が同時に存在できる方法を模索する。真奈への思いを断ち切れない叶多に真樹は不信感を抱き、箱を強奪しようとする。もみ合ううちに二人は姿を消し、消えたあとには箱だけが残っていた。
五百年前の中世の日本に繋がる木箱。箱の中の世界に介入し、人間を殺めた叶多(かなた)と真樹。世界線が増殖し、並行世界を渡り歩く二人。在るべき世界はどこなのか。幼なじみの真奈のいる世界に、どうしても戻りたい叶多は、極限まで追い詰められ、再び神のごとく箱への干渉を始めてしまう。たとえ今の幼なじみ・真樹が消える事になったとしても…。
遠野叶多(かなた)は、幼なじみの真奈の家から奇妙な箱を見つける。箱の中には実際の人間が生活し、よく見るとそこは中世の日本らしき世界だった。ある時、叶多は箱の中で野盗に襲われている少女を救ってしまう。その結果、幼なじみの真奈が消え、新たに真樹という幼なじみが存在する世界が出現する。真奈は取り戻したい、でも真樹と過ごした時間も鮮明な記憶として蘇っていく。真奈か真樹か。叶多はどちらを選ぶのか。
遠野叶多(かなた)は、幼なじみの真奈の家から奇妙な箱を見つける。箱の中には実際の人間が生活し、よく見るとそこは中世の日本らしき世界だった。好奇心で観察を続けるが、ある時、箱の中で少女が野盗に襲われているのを見てしまい、思わずその野盗を殺してしまう。動揺した叶多は真奈に相談するため彼女の家に向かう。だがそこで真奈の父親から思いもよらぬ事実を告げられる。「うちには真奈なんて娘はいないよ」と。