作者 : 日丘円
18歳の誕生日までに、全員自首してください。 クラスのいじめを発見した教師の桜井は、首謀者の黒川に対し体罰をふるってしまう。その後待ち受ける過酷な運命があるとも知らず…。絶望に追い込まれた教師の無慈悲な復讐劇が幕を開ける‼
俺を支持する人間は沢山いる。…そうだ、俺は間違っていない。 バイトに明け暮れ、友人も少なかった大学生活。しかしあの日から俺の人生は一変した。大手企業の就職も決まり、可愛い彼女もできた。万引き犯を追い立てた行為もネットでは擁護の声が大きい。やはり自分の信じた正義は間違っていない。そう思っていた…あの男が俺の目の前の現れるまでは。
いつ、どの選択を俺は間違えてしまったのだろう。 俺はこんな所で何をしているんだ…。過ちに気付いた時には、すでに取り返しのつかない状況に陥っていた。必死に自分のせいではないと取り繕っても、いつだってその選択は自らの意思で決めたものなのだから。見て見ぬふりが招いた結末の行方とは⁉
些細な悪事も許さない、正義マン、見参!!? タバコのポイ捨て、行列への割り込み…それは誰かが少し我慢すれば済む問題なのかもしれない。でも俺は違う。例え大切なものを失うことになろうとも、見て見ぬふりはしない。それは自らの過去を否定することにもなるのだから。暴走を始めた正義感の向かう先はーー!?
悪人を見殺しにして、何が悪い? マンションの上階、502号室から聞こえてくる、怒号と女児の泣き声。テレビでは虐待によって小さな子供がその尊い命を奪われた痛ましいニュースが取り沙汰されている。面倒ごとに自ら首を突っ込む必要なんてあるのか? でも少女の命を救えるのは自分だけかも知れない…。
いじめられた相手を赦した人間などいない。 「見てよ鈴木くん、20年前に僕に与えた罰を最愛の娘が受けているんだよ」エスカレートしていく詩織へのいじめ。ほんの数日前まで親友だと思っていた友達はもういない。抵抗する気力も失い、自らに原因があると自己否定へと向かう。20年前の僕と同じ状況だ…。
20年前、僕をいじめたアイツ。その娘が今、自分の教え子に…。 中学校の教師となった相沢は、同窓会でいじめを受ける元凶となった鈴木と再会する。「いじめられる方に原因がある」と言い放つ鈴木に対し、「変わっていなくてよかった」と安堵する相沢。 20年前、僕をいじめたお前の最愛の娘が自分の教え子だとも知らずに…