作者 : 松井優征
伊勢を発ち破竹の勢いで攻め上がる顕家軍だったが、京を目前にして高兄弟・桃井直常に痛恨の敗北を喫する。しかし、すぐさま春日が妙策を講じて足利軍の追撃を阻止し、その隙に時行達は楠木党と連携し体勢を立て直す! そして、決死の覚悟を固めた顕家は、残す力を振り絞り凶敵・師直との決戦に挑む──!!
土岐頼遠の圧倒的な力の前に、時行の逃げの戦術でさえ通用せず窮地に陥る顕家軍。そんな中、突如戦場に優雅な音楽が鳴り響き、離脱していた顕家が華麗な姿で舞い戻る!? 一気にお祭り騒ぎと化した戦は堂々決着へ!! しかし、続く不破関を越えた時行達の前に、京からの凍てつく刺客が立ちはだかり…!?
家長を破り二度目の鎌倉奪還を果たした時行達は、休息もわずかに京への進軍を開始する。しかし、一行が抱えるある問題が重大な事件へと発展し瓦解の危機に!? さらに、美濃国青野原に到達した顕家軍に足利連合軍の挟撃策が炸裂! 因縁の強敵・貞宗や長尾、そして支離滅裂な怪力を誇る土岐頼遠との総力戦が幕を開ける!
杉本寺での攻城戦、時行が先陣を切って果敢に攻勢をかける中、桃井と長尾の猛撃、さらには家長の狡猾な術策が襲いかかる! 一転して窮地に陥る顕家軍だったが、思わぬ助太刀で局面を打開し、足利の主力武将達を撤退させることに成功! そして時行は家長との決着をつけるべく宝刀「鬼丸」で一騎打ちに挑む──!!
中先代の乱から二年後、伊豆に潜伏していた時行達は鎮守府大将軍・北畠顕家から朝敵解除の許しを得て、尊氏討伐へ動き出す! そして南朝方となった時行は曲者ひしめく顕家軍に加入し、斯波家長率いる足利軍との決戦に出陣! 二年間の耐忍を経て一段と成長を遂げた新生逃若党が見せる活躍やいかに──!?
様々な奇策が投じられ、女影原の戦いは激しさを増していく。弧次郎と庇番衆・渋川の一騎討ちをはじめ、強敵・岩松や石塔との激戦も完全決着! そして間髪をいれず、時行一行の前に立ち塞がる新たな庇番衆! 馬と共に戦場を駆ける今川、人造武士を操る上杉…。恐るべき力を目の当たりにした逃若党の対抗策とは──!?
北条本家の嫡子であると名乗りを上げた時行に、鬼気迫る小笠原貞宗が単騎急襲を仕掛ける! 信濃を発つ前に本気の貞宗の猛追を躱せるのか!? 一方、時行らの鎌倉進軍を知った足利直義は関東庇番衆を配備して迎え撃つ。一番組筆頭・渋川との衝突を皮切りに、個性派揃いの強者達との戦いが幕を開ける──!
鎌倉奪還に向けて兵を挙げた諏訪神党は因縁の小笠原軍と対峙する。幾度となく戦ってきた神出鬼没の知将・瘴奸との最後の戦い。信濃の両雄、貞宗と頼重の直接対決。民を苦しめてきた悪徳国司・清原が繰り出す最終兵器…。長きに渡る潜伏から数々の激闘の末、時行が日本中に向けて名乗りを上げる!!
泰家が明かした帝殺しの計画を受けて脱出経路を調べる時行は、偶然にも軍神・楠木正成と邂逅する。帝の側近である彼から逃げの極意を学び取るため時行は単身、楠木邸に足を踏み入れる! さらに、足利尊氏に接近できる最大のチャンスが到来! 時行たちは吹雪が考案した策の下、尊氏暗殺計画を決行する…!
神の座を継いだ頼重の孫・頼継に諏訪大社内での居場所を賭けて鬼ごっこ勝負を挑まれた時行! 妨害部隊の猛攻を躱して傍若無人な神様にお灸を据える!? その後、北条泰家の手引きで京に赴いた時行達は、身分を隠して華やぐ大都会の文化を堪能するも、神力を宿す少女・魅摩との双六対決で早々、窮地に!?
小笠原貞宗に北条の重臣ではないかと疑われた時行は、一対一の舌戦に臨む。正体を明かすわけにいかない時行は射抜かれる言葉の矢を巧みに躱すも、補佐役・市河の登場で事態は急変して…? さらに後醍醐天皇の命により信濃各地で再び動乱が渦巻く! 天下を取り戻す前哨戦へ突入する!
後醍醐天皇が送り込んだ国司・清原信濃守の圧政に耐えかねた諏訪神党・保科弥三郎は勝ち目が無いと知りながら反乱の兵を挙げる。保科党を止めようと説得に向かう時行だったが、戦場で散ることを美学としている武士たちに時行の声は全く届かないまま、開戦してしまい…?