作者 : 水玉螢之丞
“天塔”に上り、“精霊”と邂逅を果たした魔王と勇者。世界のため、人々のため、そして自分自身のためーーすべてを賭けた対話は、果たしてどのような結末を迎えるのだろうか。
ついに破られてしまった開門都市。圧倒的劣勢ーーと見せかけたその先にあったのは、決断と冷静が織りなす市街戦だった。また、魔王と勇者は、ついに“その場所”へ足を踏み入れんとするのだが……。
開門都市を攻めあぐねる聖鍵遠征軍。女騎士率いる遊撃部隊の活躍もあり、遠征軍側にも疲労の色は濃くなりつつあった。だが、それ以上に疲弊した魔王は精神的限界を迎える。彼女に対し、青年商人はーー。
必死で聖鍵遠征軍の猛攻に耐える開門都市だが、限界が近づいていた。魔王の指示に背き、火竜公女は“ある人物”のもとへ駆ける。ただ、自分ひとりだけを交渉材料として。その献身は、果たして報われるのだろうか。
ついに開門都市へと到達した聖鍵遠征軍。マスケット銃の性能は想像を遙かに凌駕し、その大地は夥しい血に濡れる。それぞれが犠牲を払う中、メイド姉は竜族の秘宝を求める。戦争を、止めるために。
着々と魔界侵攻の準備を進める聖王国。しかし、魔王たちは、「本当の敵」の存在に気づき始めていた。マスケット銃という悪夢に立ち向かうため、魔王は、勇者は、戦い方を変える覚悟を固める。
マスケット銃の登場により窮地に陥った魔王・南部諸国連合軍。聖王国は「聖骸」の奪還を題目に民衆を煽り、悪意の塊をぶつけてくる。心折れかける勇者だが、魔王もショックを隠せずにいたーー。
ついに人間界への侵攻を開始した蒼魔族。対する魔王は、人間と魔族による共同戦線を模索していた。そんな中、奏楽子弟と旅するメイド姉は、世界の源流にある「物語」に迫ることにーー。
長らく続く人間との戦争に和平をもたらすべく、魔族の大会議・忽鄰塔(クリルタイ)を招集した魔王。各氏族の思惑を調整するための交渉と工作の末、光明が差したかに思えたその時、思いもよらぬ事態がーー。