正しいナイフの使い方 1
「ある未成年による殺人事件」をモデルに描かれた小説『正しいナイフの使い方』で、鮮烈なデビューを果たした小説家・眞家准(まいえじゅん)。
数年が経ち、順調に著作を増やしているが、どこか空虚で充実しない日々を過ごしていた。
そんなある日、眞家の前に「小説の書き方」の教えを請う男・西(にし)が現れる。
彼は、眞家の作品への批判と共に、「自分は眞家がモデルとした事件の犯人だ」と言う。
「その小説に刺されぐちゃぐちゃにされた」と慇懃無礼に上がり込む西の目的とは……。
小説家と殺人者が、互いの輝きに惹かれ合い、壊し合う。
「創作」と「過去」という呪いに縛られた、ヒューマン・ミステリ。
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