社交界の毒婦とよばれる私〜素敵な辺境伯令息に腕を折られたので、責任とってもらいます〜 1
私は昔から空気を読むのがうまかった。
だから、悲劇のヒロインになりたい異母妹マリンの望み通り、悪役を演じている。
そうしないと、マリンを溺愛している父に食事を抜かれてしまうから。
今日の夜会でのマリンのお目当てはバルゴア辺境伯の令息リオだ。
ーーはいはい、私がマリンのお望みどおり頭からワインをぶっかけてあげるから、あなたたちはさっさとくっついてイチャイチャしなさいよ……と思っていたら、バルゴア令息に捕まれた私の手首がゴギッと鈍い音を出してー?
2025年2月刊