2020年8月26日発売
どうかこの悪夢から抜け出せますように…… ただ平穏でありたい、そんなささやかな希望さえ許されないのか!? 心の奥底に眠る幸福感すらも忘却した魂は、恐怖に縛られ、 その瞳を閉じたら二度とここへは戻れない……。 大学生の緒方克巳がそのたぐいまれなる霊能力で数々の心霊事件を解決していく、 山本まゆりの大人気本格ホラー『霊能者緒方克巳』シリーズ。 美人霊能師の九条まりえとの能力差に、ジレンマを感じる弥里が覚醒する長編2本掲載! 三原千恵利の『横浜神仙物語』シリーズほか、悪夢に追われる 恐怖の作品が満載の恐怖と不思議の本格ホラーストーリー集! 【収録作品】 ●山本まゆり 霊能者緒方克巳シリーズ「夢魔の囁き」「眠れぬ夜の女」 大学のクラスメイトにいきなり誘惑された克巳はその背後に邪悪な色情霊の気配を見る。 美人霊能師の九条まりえに助けをもとめる克巳に、自分の無力さを痛感する弥里だが、 あるきっかけで不思議な十字架を手にし…。 秘められた力を見出した克巳は、弥里を新たな道へと導く!! ●紫垣まゆみ 「長い夜をぬけて」 親の離婚で悩むちえりの心の支えは、幼なじみの佑と勝。 つらくても彼らのおかげで耐えてこられたけど、 一言も愚痴を言わない母親の異変は日に日にエスカレートしていく。 彼女に迫るタイムリミットとは…!? ●米谷たかね 「罪」 若すぎる愛憎が生んだ愚かな少年犯罪。 その罪の深さ、その命の尊さ、そして己の背負う運命の重さ、 “償う”ということの意味を考えるための罰。 ●榎本由美 「バビロンの魔夢」 夢の中の安らぎに囚われた少女は、今日もバビロンの女王・セミラミスのもとで眠る。 その楽園は夢なのかうつつなのか深層心理に問いかける。 ●日下部拓海 「人形の家」 いつもと変わらない日常。幸せに囲まれたあたしを襲うとつぜんの恐怖!! 少しずつ、あたりまえの景色がこわされていくのは…なぜ!? ●三原千恵利 「明命珠」 道士の師匠が危篤だという知らせを聞いた保生と鹿雄は、横浜中華街から一路、長崎へ。 そこに封印された幼き日の道士の過去と哀しい記憶、そして道士と保生の出逢いが明かされる。 ●井口かのん 「月の涙」 冷え切った心につけられた無数の傷は、絆のほころびを生み出していく。 でもこわくない。 どんなに言葉を飲み込んでも、月の光があたしを癒してくれるから……。