2024年4月23日発売
鼓田ミナレは藻岩山ラジオの代表MCとして、北海道の放送界一大イベント「バレンタイン・ラジオ」本番を迎えた。だが宗教団体「波の智慧派」により監禁されたAD瑞穂の救出に奔走したため、局内はミナレ不在の状況に。さらに教団による電波ジャックの脅迫を受けて現場は混乱するも、ミナレはリモート生放送で自身の出番を全うする。そして後日、麻藤の計らいで市内のコミュニティ局を訪れ、刑務所向けの番組に出演することに。
記憶障害を抱える脳外科医が、 医者としての自身を取り戻す。 日本における脳血管疾患の患者数はおよそ112万人。その患者の多くがなんらかの後遺症と闘っている。 自分の意図とは無関係に手が動いてしまう患者は長い間、他人からの疑いの目にさらされてきた。 時に無意識の認知バイアスが、人を追い詰めていく。 そして存在しないはずの手足が痛む幻肢痛に苦しみ、生きる目的を失った男は、やっかいな同室の患者に悩まされる。 一方でミヤビは脳外科医として 患者に寄り添う日々のなかで、 婚約者である三瓶の頑なな態度に疑念を抱く。 なぜ三瓶は執拗にミヤビを救おうとし、また、 自分自身をないがしろにしてしまうのか。 「エイリアンハンド」「幻肢痛」のエピソードを収録。
ここは大奥。仕える女性たちの多くは生涯独身であり、猫をわが子のようにかわいがったというーー。 だが御殿女中のなかで一番の実力者といわれている滝山だけは、猫を飼えないまま奥づとめを続ける毎日を送っていた。 本当は猫が大好きなのに誤解が誤解を重ねてしまい、もう猫好きだとは言い出せない境遇へと陥ってしまったのだーー。 でも大丈夫、その境遇を理解してくれる人たちも現れたから。 踊りの師匠でもある御次の照代。もとは猫嫌いだったとし。秘密の文通相手・美登。彼女たちのサポートで、滝山も上司の飼い猫・吉野ちゃんをはじめとする猫たちを愛でたり愛でられなかったりする日々を送れるようになってきたのだ。 そんな日々に新たな子猫が登場する。当代随一の人気役者と同じ模様を持つ団十郎ちゃんが大奥に降臨したのだ。 ついに滝山が猫を飼うことができるのか……と思いきやもちろんそんなことはなく、華麗に子猫インターセプトを決めたのは滝山に次ぐ切れ者と名高い小山であった。 この小山、猫の次に滝山を愛している厄介な人物なため、意外な角度から滝山の受難の日々は加速していくことになるーー。 天保大奥猫溺愛コメディ、特別読み切り『こまとちび』の続編も収録!