制作・出演 : カトリーン・ショルツ
89年日本国際、91年クーレンカンプ・コンクールで優勝、95年以降はベルリン室内管の芸術監督も務めるショルツの通算5枚目のリサイタル盤。派手さはないが聡明に熟成を深めてきた彼女らしい演奏で、端整な表情と気品のあるカンタービレに魅了される。
度々の来日ですっかりお馴染みのショルツ。伸びやかな歌心を持った彼女の魅力満開。音色を多少犠牲にすることになってもスペインの情熱を伝えたい、という思いがストレートに伝わってくる。それぞれの作品を大きくつかんで、小気味いいくらいにその個性を歌い上げてくれる。
ドイツの女性ヴァイオリニスト、ショルツが、自ら芸術監督を務めるベルリン室内管弦楽団とともにブランデンブルク協奏曲(第2?5番)を録音した。ショルツのヴァイオリンを含め、ソロ楽器が安定。まとまりのあるアンサンブルが展開されている。
すべてにわたってかっちりと弾かれることが、こんなに清々しかったかとあらためて思わせてくれる。それでいて彼女の音楽はとても自由で温かい。どんな時でも崩れぬ美音も特筆もの。M.ザンデルリンク&ベルリン室内管の強力なバックアップがあってこそ、だけど。
2003年11月に来日して全国8公演をこなした旧東独の名門ベルリン室内管のアルバム。コッホの後を継いだ現音楽監督の女流ヴァイオリン奏者ショルツがリードするモーツァルトとハイドンの名曲集だ。明快な音楽言語とイントネーションを持った気持ちの良い演奏。
今年26歳のドイツの新鋭ショルツ。89年の日本音楽コンクールでは第1位を獲得している。彼女の甘く繊細な音色で奏でられるブラームスは聴くものをうっとりと夢見心地にさせるような、ソフトでロマンティックな雰囲気。非常に味わい深く新鮮な演奏だ。
89年の日本国際音楽コンクールで優勝した、旧東独の新鋭・ショルツのデビュー盤。若手にしては珍しく、思慮深さやしっとりとした落ち着きを感じさせる。技巧的な作品でも、決して技術だけが前面に出てきたりしない。おおらかでソフトな語り口が魅力的。