音楽むすび | 制作・出演 : ドナウディ

中丸三千繪が歌う近代イタリア歌曲選集。オペラ作曲家として知られるプッチーニやレオンカヴァッロ、ジョルダーノらの珍しい歌曲が集められていて、彼らのもう1つの顔を知ることができる。

錦織健の特徴は、何といってもクセのないまろやかな歌声。ジャンルによってはのっぺりとした表情になることもあるが、さすがにイタリア歌曲ではその声の美点がよく活かされている。イタリア歌曲をあまり知らない初心者ファンにも安心して勧められる一枚。

近代イタリア歌曲は現在の中丸三千繪にとってまさに最適のレパートリーだろう。有名な(6)を一聴すれば彼女のしっとり美しい声と、若々しく繊細な表現力がぴったりであることを実感して頂けるはずだ。伸び盛りの声楽家の歌声を心ゆくまで堪能して頂きたい。

中丸三千繪の最新盤は、92年8月と93年3月にパリで録音されたイタリア近代歌曲集。ふっと、くぐもった響きを感じたり、歌唱に力みを感じるところもある。中丸さん、張り切り過ぎなのかもしれない……。名伴奏者ボールドウィンのピアノは風趣が漂う。