制作・出演 : パーヴェル・ギリロフ
暗い抒情に彩られた第1番と、円熟の技をみせる第2番に、マイスキー自身の編曲版歌曲を加えたブラームスらしさが充満している1枚。思い入れたっぷりのマイスキーの演奏が心に迫る。
マイスキーの小品集シリーズの1枚目。ゆったりとしたテンポの優しい曲集だ。慈しむように1音1音に感情をこめて歌い紡いでゆく。情感豊かな演奏だが過多になることはなく、品の良さを保っている。
マイスキーのベスト盤。第81回米アカデミー賞外国語映画部門を受賞するなど、話題の映画『おくりびと』のテーマ曲(愛娘リリーとの共演)や、同映画で使用された曲など話題曲が満載。マイスキーの深々とした「うた」が満喫できる。
チェロ・ソナタを除き、ブラームスの歌曲のチェロ編曲版を集めた珍しいアルバム。マイスキーによる一連の歌曲のチェロ編曲版シリーズの1枚。マイスキーの歌心が、全編にあふれ出さんばかりだ。
2枚目となる今回はヴァイオリン名曲集となった。お嬢様っぽい、あるいは都会的でクールな風貌とは異なり、その演奏は熱く時に激しい。日本音楽コンクール優勝のテクニックには申し分なく、ヴァイオリンから多彩な音色を引き出していく。今後の成長も期待したい。
チェロのための小品、チェロの魅力を最大限に引き出すために編曲された作品、そして日本の歌を温かな音色でうたった作品の3つから構成されたチェロ小品集。マイスキーが情感たっぷりの演奏で酔わせてくれる。
心の襞に込められた想いが切々と歌われる。マイスキーの息遣いも漏れ聴こえ、感情の振幅が音色とデュナーミクの豊かな幅となって波のように寄せ来る。ギリロフのピアノも同等に繊細の極み。ロシア歌曲の旋律美を堪能できる(歌詞対訳を付けてほしくなるほどに)。★
ロシア出身のピアニスト・ギリロフと三人のベルリン・フィルの弦楽器奏者で1980年に結成した四重奏団。解釈はオーソドックスだが、4人が対等な関係でじっくりと密度の濃い音楽を織り上げていく。熟成した赤ワインのような重厚な味わいに酔える一枚だ。
ギリロフとダニエラは長年デュオ活動をしてきたが、日本でディスクが発表されたのは初めてらしい。2人は今回の録音に際し、オリジナル版を再検討したという。速すぎないテンポ設定が目立ち、がっちりと構築され、重厚にして情感あふれた演奏である。