制作・出演 : レーグナー
かつての「東欧」を含む「中欧」に世界の視線が注がれる中、音楽的な関心のベクトルもこのあたりに向かいつつある。ヤナーチェクもクローズ・アップされている作曲家の1人。ここでの2曲はこの作曲家の新しさを十分に堪能させてくれる。お薦めの1枚。
解説書にもあるように(1)が断然おもしろい。今どきこういう表現もあるのかと思うくらい思わせぶりで、これを驚異の名演と呼ぶか、大袈沙でクサイと感じるか…。ドイツの指揮者による非ドイツ物小品集という興味で聴くのも一興だろうがーー。
全集の1作。シューリヒト以上の快速調で進むが、音の響かせ方やテンポの変化が非常にユニークで、しかも成功している。アダージョはとびきり美しい。マタチッチ盤はほぼ予想通りだったが、これは期待を遥かに上廻った。74分42秒収録の超ハイCP。
レーグナー/読響のベートーヴェンの中では一番よいのではないか。冒頭は日本のオケとは思えないスケール感が出ているし、全体に雄大なテンポで、これでオーケストラがドイツ風の響きを鳴らしていたらなおよい演奏になっただろう。
オケと録音に若干不満は残るが、演奏は素晴らしい。内声部や木管など、実にていねいにそしてよく歌わせるので、一見何もしていないようで、実際は非常に響きが豊かだ。特に第2楽章の美しさは最近のCDの中ではピカ一。全体の中庸なテンポもいい。
(1)は合唱と、弦を全く欠く管と打楽器のみのオーケストラによるミサ。(1)はブルックナーの教会音楽の中で最も人気のある曲で、第7,5交響曲のエコーがきかれる。演奏は宗教的背景をほとんど感じさせず、ソリスト、合唱団の純度もいまひとつだが、選曲は魅力。
全集第2弾。今回はライヴではなくレコード用の録音。一見オーソドックスに思えるが、よく聴くとフレーズの切り方や内声部の浮かび上がらせ方などにレーグナー独特の工夫があることがわかる。このあたりが他の東独指揮者と違うところだ。
レーグナー初のライヴ。このベートーヴェンは素晴らしい。基本はオーソドックスでも、響きのバランスやアクセントの付け方等にこの指揮者の特徴が出ており、それが実に効果的。終楽章のスピード感と情熱の爆発は圧巻。(2)もしっとりと美しい。