制作・出演 : ヴラディーミル・アシュケナージ
ショパン:ポロネーズ全集ショパン:ポロネーズ全集
遺作も含めて全16曲が収められているという、貴重なポロネーズ集である。「ショパン/ピアノ作品全集」からの分売であるため、録音年にはバラつきがあるが、1曲1曲に対する心のこもった細やかな配慮には変わりがない。その一方、力強い(5)なども印象的。
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲全集ラフマニノフ:ピアノ協奏曲全集
アシュケナージにとって同曲の最初の全集盤であったもの。彼は、持ち前の安定したテクニックで各曲を鮮かに仕上げており、特に第3番は忘れ難い名演。但し、ロシア的情緒の表出よりも透明で美しい味わいが印象的。指揮のプレヴィンの巧さにも注目。
スクリャービン:ピアノ・ソナタ全集スクリャービン:ピアノ・ソナタ全集
アシュケナージのスクリャービンに対する10年来のこだわりが、遂に全集という形で結実した。ショパンの影響下から出発して、特異な秘教的世界に至るこの作曲家の変遷過程を弾き分けて見事である。特に6番以降が音楽の独自性と相俟ってすばらしい。
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番・4番ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番・4番
アシュケナージ2度目の全集からの分売。ソロは極めて自由闊達だが、非常に繊細で詩的な美しさは初めて体験できるものだ。ハイティンクの大きく、柔らかく包み込むような伴奏も見事の一言に尽きる。決定盤という宣伝文句も大袈裟とは言えない。
エリーゼのために/アシュケナージ珠玉のピアノ名曲集エリーゼのために/アシュケナージ珠玉のピアノ名曲集
お馴染みの名曲をお馴染みの演奏家で、というタイプのアルバム。バランス感覚のすぐれたアシュケナージだけに、確かにどの曲をとってもお見事。しかし聴き手を引きずり込むような魅力が出ているかどうかは疑問。(15)だけは文句なくすばらしい。
モーツァルト:2台のピアノのためのソナタモーツァルト:2台のピアノのためのソナタ
有名人の顔ぶれに驚き。いずれも特定の人のために書かれた作品。こりゃあ聴くより弾いた方が絶対楽しいぞ! モーツァルトが初演者の性格を曲に反映させたか等色々な興味も。64年、72年の録音が最新のデジタル録音に比べても音楽的に聴こえるのはなぜ?