全盛期に録音された数多くの音源の中から、未発表に終わっていたテイクばかりを収録したアルバム。どの曲も昭和30年代くらい下町の商店街の夕暮れの空気を運んできてくれるかのような哀愁に満ちています。
戦後歌謡シーンを語るとき、戦後の新民謡運動をレコードやラジオといったメディアを通して先導し、歌謡曲と民謡とを同じ地平のものにした三橋美智也の存在を無視できない。一地方の民謡を“歌謡曲化”することで、全国区の民謡にしていった彼の仕事は、変貌する社会から置き去りにされつつあった民謡の活性化作業でもあった。生前の三橋美智也が、北は北海道から南は九州までの民謡を歌ったものを全10集にまとめている。第10集は三橋美智也がルーツ・ミュージックとしてきた『津軽三味線』集になっている。