制作・出演 : 四代目
空前の落語ブームの中、コロムビアに保管されてきた名人達の名演を集めた究極の落語入門CD集。名人達の十八番を堪能することができる。
古典落語の演目を、落語史に名を残す名人の話芸で聴く本格シリーズ。84年に他界した三遊亭円遊は粋な落語家の代表。正妻と妾の間で翻弄される旦那。そこに権助が絡んできたら!?
明るさ、華やかさを持った芸は、良き時代の寄席の味を伝えてくれた。「味噌蔵」での酒盛りの場面、「野ざらし」の向島大騒ぎのオンマツなど、この人の軽妙洒脱な語り口は、さすが江戸っ子しかも元幇間。こういうタイプの落語家はもう出てこないんだろうな。
明るい色気の藝風は、江戸の面影を残した古き良き東京の最後の噺家と言える。洒落・粋の感覚は絶品で、一時期、幇間を経験したところから培われたものだろう。今回は幇間ものは収録されていないが、軽妙な語り口の爆笑ものでこの人の味を堪能できる。
変わり種の噺家として親しまれ、97年に惜しまれつつ他界した柳亭痴楽のライヴ録音3タイトルリリース。独特の語りでファンを魅了した演目全10題を収録した、コレクターズ・アイテム。
数多い落語のテーマのなかに“色物”と呼ばれる分野がある。その誕生から200年。このシリーズではそんな極めつけの“ばればなし”を新録音。色気、セックス、恋愛などの男女間噺の集大成だ。
枝雀門下の中堅噺家のライヴ録音集第1弾。上方落語選とタイトルにあるが、(1)は江戸落語を上方風にアレンジしたもで、挟み込まれる歌舞伎風な節回しがなかなかのいい声。また(3)も長らく演じられることのなかった芝居噺で、研究熱心な彼の姿勢が窺える。
創作落語の旗手の一人として知られるが、古典を演らせても非凡なところを見せる。アバウトに演じているようだが、その実、キッチリと計算された運びで、並ではない実力が感じられる。上方落語界の中堅として、着実に成長していることを証明する1枚と言える。
師弟競演の1枚。大看板・春団治は藝人としての育ちのよさを感じさせる色気が何とも言えない。「親子茶屋」で茶屋噺の面白さをタップリと味わえる。福団治の「疝気の虫」は元々上方噺だが、最近は東京の方が演じ手が多い。間のよさは今後を大いに期待させる。