制作・出演 : 松尾明
バッハ・ジャズバッハ・ジャズ
非常にポップで軽快だが、強力なスウィング感と柔らかいフィーリングを内包しつつBGM的にならない演奏ぶり。粉砂糖をまぶしたようなアレンジの妙とともに、ピアノの美音も強く印象に残る。ジャズとバッハの融合という堅い表現が似合わない、一線を飛び越えた好結果だ。★
バカラック・ジャズバカラック・ジャズ
現役女子大生ジャズ・ピアニストの松本茜、山下弘治、松尾明のトリオによるバカラック作品集。拍数を微妙に変えるなどアレンジにも細かく気を配っているようだが、とにかく三者ともプレイが小気味よいので、曲の良さがストレートに伝わってくる。
テイク・オフテイク・オフ
MAYAとの共演でも人気を博す松尾のトリオ、コンボの演奏を6曲ずつ収録した作品。「スパイ大作戦のテーマ」や歌モノ好きの隠れ名曲の「ラブリー・ウェイ・トゥー・スペンド・アン・イブニング」など選曲が奮っていて、ベテラン・ジャズ・ファンも納得。ハワイアンな「ココナッツ・アイランド」も意外な発見。歌伴の名手、松尾ならではの12曲だ。
MAYA+JAZZMAYA+JAZZ
寺島靖国氏が主宰するレーベルに移籍しての第1弾。以前は多彩な音楽を取り入れ、無国籍感を表出していたが、正面からジャズと向き合っている。とはいえミステリアスなムードはそのまま。「テイク・ミー・イン・ユア・アームス」のはかなさ、「アイ・フォール・イン・ラヴ・トゥ・イージリィ」の気怠さと哀感、「レッツ・ドゥ・イット」の小悪魔的な表情など、持ち味を存分に発揮している。