制作・出演 : 桂南光
上方落語界を代表する噺家として活躍した桂枝雀(かつらしじゃく)の生誕70周年記念企画リリース。桂枝雀と一門の落語家による記念公演を収録したライヴCD。芸に生き“爆笑”落語の一時代を築いた芸が満喫できる。
耳障りといってもいい塩辛声、かなりの早口、音だけ聴けばそういうものも耳につく。しかし、喋りの気合いでどんどん客席を引きつけ、最初のひと湧きまでの見事さには舌を巻いた。けっこう話し芸もフレージングだなぁ、などと音楽みたいに聴かされてしまった。
テレビのバラエティ番組などでも活躍する桂南光。枝雀の一番弟子として、幅広いファンに受け入れられている。シリーズ第8弾では、上方落語の真髄といえる「五貫裁き」ほかを披露。
故笑福亭松鶴にも認められた実力の持ち主、桂南光の高座からのシリーズ第9弾。綿密に構成された筋運びと安定した話芸が爽快。東京でもおなじみの「小言幸兵衛」を上方らしく聞かせる。
名実共に米朝一門の看板、南光の2年半ぶりの新作。浪花の若大将としてTVやラジオで活躍中だが、本来の本格派落語をじっくり聴かせてくれるシリーズ第6弾。演目は「二番煎じ」「桜の宮」。
名実共に米朝一門の看板、南光6月発売に続く新作は「持参金」「桜の宮」。浪花の若大将としてテレビ、ラジオで大活躍中だが、本来の本格派落語をじっくり聴かせてくれるシリーズ第7弾!
南光のしゃがれ声と河内訛りが生き生きとした「はてなの茶碗」での油屋の口調が、誰にもありそうな際限のない欲深さを面白く出している。「青菜」での大家の旦那と植木屋のやり取りが絶妙。女房の顔を思い出しただけで汗が出る長屋の夏の暑さが見える。
全国的にはNHK『生活笑百科』の南光相談員として有名なべかこ改め南光の、今年初めの録音。(1)は師匠である枝雀の代打として高座に上がった公演を収録した、入魂の一席。TVでは味わえないきめ細やかな話芸が堪能でき、正直、この人見直しました。
この頃ノリにノっていた南光によるライヴ。枝雀の芸は映像がないと今イチ笑えないが、南光の人物描写は音声だけでも爆笑モノである。上方のヤンチャ坊主もいつの間にか貫禄が身についてきた。枕を含め「ちりとてちん」の完成度は文句なし。
“べかちゃん”が三代目南光を襲名して、はや2年半が経つ(そういえば彼はいまだに岡部まりさんへ花束を贈り続けているのだろうか!?)。裏にある緻密な計算を感じさせず大胆に話を展開する芸風はもはや大家の域。難しい2つのネタを危なげなく演じている。
若手落語家の有望株だけのことはある。ちょうど、師匠の枝雀と同じネタ(素人浄瑠璃=寝床)をやっていて興味深く聴いたが、南光の個性がきっちりと伝わってくるはなしぶりで、おもしろく聴けた。欠点ももちろんあるが、この勢いを大事にしてほしいね。