ジャンル : クラシック > オムニバス
43年ぶりに改訂された新しい讃美歌集からクリスマスの歌を集めた録音。現代の各国のキャロルを取り入れると同時に、よく知られた曲も歌詞が口語に大幅に書き換えられている。改めて、讃美歌が美しい日本語と美しいメロディの宝庫だとよくわかる。
聖歌には美しい曲がたくさんあり、中には名曲のフレーズを聖歌に取り入れたものもある。これは、そんな素敵な聖歌の数々を合唱とオーケストラで演奏した意欲的なアルバム。惜しいことに鑑賞用には洗練度不足な気もするが、一緒に歌えばきっと楽しい。
この手のアルバムは宗教者の方々が聴くのだろうか。曲そのものにはよく書かれたものもあるが、編曲の多くはあまり感心できない。歌唱の中にも、聴くのにつらいものもあり、せっかくの聖歌の歌詞が伝わらないものも。敬虔な、というよりは明るい聖歌だ。
参集者一同が心を合わせて唱和する。すべからく信仰の基本であり、神聖な儀式を彩る調べでもある。ここでは歌の上手い下手は問題にならないのである。当盤には黒人霊歌を含めアメリカ、イギリス起源の比較的新しい曲に日本語の訳詞をつけた聖歌を収録。
ア・カペラのグレゴリアン・チャントとはだいぶ、趣を異にする。聖歌とは何?無宗教者にはふだん馴染み薄いが、標題曲のタイトル通り、人生の海の嵐などに出会ったとき、平安を与えられ、随分助けられるものだろう。グレゴリアンが人々に支持されたように。
全7集の『聖歌100選』のうち第5集では、「証し・宣教・再臨」をテーマに、『讃美歌集』にも含まれる(5)をはじめ、15曲が収められている。演奏形態は独唱または合唱で、伴奏は小オーケストラが主体。キリスト教主義の学校の教材としては適したシリーズ。
日教基団の「讃美歌」のほかにも、讃美の「歌集」が作られているが、当CDには、若者の気持ちを燃えたたせる聖歌や、日常のなかで皆で親しくうたえる聖歌など、讃美・祈り・献身をうたう「青年聖歌」が収められている。これを聴いたら、元気が出てきた。