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六代目 笑福亭松鶴六代目 笑福亭松鶴
実は上方落語にとんと縁のなかった私だが、この人の落語は語り物として聞いても素晴らしい。悪ガキに手を焼く親父の姿を描いた(2)など、ほとんど河内音頭の軽妙な語り部分に通底する。河内家菊水丸の古典が好きな聞き手(私もそうだが)にぜひ勧めたい。
スーパー落語1500 39. ○らくだ○米揚げ笊スーパー落語1500 39. ○らくだ○米揚げ笊
まさに豪放磊落の浪花の名人芸とは笑かすことがまず身上。得意ネタばかりで3枚。72〜73年の録音で、パワーとスピード、共に申し分なし。オハコ「天王寺詣り」はもう神がかっている。下品なようでさわやかなのは人間の業をわきまえているからだ。
古今亭志ん生名演集古今亭志ん生名演集
ニッポン放送の音源のもので、昭和31年から昭和35年までの最高潮の時期の話術が聞ける。録音状態もけっこうよいのがうれしい。「火焔太鼓」はもちろんだが、「らくだ」や「文違い」の心理描写にうならされる。そして「大津絵」など珍しい録音も入っている。自在なテンポ、本能的ともいえる間(ま)の取り方、聴くものを快楽の波間に漂わす天才的な語りをあらためて聴くのも一興だ。