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にっかん 飛切落語会 蔵出し::五代目 三遊亭圓楽 名席集 佃祭/王子の狐にっかん 飛切落語会 蔵出し::五代目 三遊亭圓楽 名席集 佃祭/王子の狐

五代目圓楽は意識して豪放磊落を装っていたフシがあり、それが繊細さに欠けると一部で評された原因でもあった。とくに後年はホールでの口演が主になったため、大ネタ・人情噺ばかり注目されがちだった点も、一面的な評価を許すことにつながったのかもしれない。しかし、師匠の八代目圓生がそうであったように、最後まで滑稽味を大切にした噺家でもあった。たとえば爆笑噺に衣替えしたかのような「佃祭」やサゲ間際の強烈なクスグリが印象深い「文七元結」、「死神」のえも言われぬ可笑しさ、そして「酢豆腐」の若旦那の不思議な面白さ。クスグリをちりばめた軽い噺・滑稽噺をもっと聴きたかった、といまさらにして思う中高年ファンも少なくないだろう。今回リリースされた5枚は、77年7月の「死神」から89年5月の「反魂香」まで“にっかん飛切落語会”の音源から10席。

復刻盤 宮城道雄 合奏曲集成復刻盤 宮城道雄 合奏曲集成

87年にLPで発売された『合奏曲集成』の復刻だ。ここでの合奏曲とは、3曲を基調にした管絃合奏の大きな組み合わせで、あらゆる和楽器を使っての大合奏、それにコーラスや独唱などが加わった交声曲などまでを指している。大正末から昭和31年にかけて宮城道雄が作曲した曲で構成されている。とにかく野心的で、当初その演奏は狼藉者と映る場面もあったろうと想像させる。箏曲に次々と狼藉者といわれて不思議でない変革者たちが登場する歴史的背景を、宮城の仕事に見ることになる。西欧音楽の様式を導入する過程で登場した和楽オーケストラのための楽曲である。なかでも箏とオーケストラによる「越天楽変奏曲」などが一度は聴いておきたい曲だ。昨今の和楽器演奏によるフュージョン的作品の原型がここにある。意外なほどコーラスや独唱などがフィーチャーされている曲に見られる作曲者・宮城の意図や思惑などを深読みできたりもして、これがなかなか面白い。

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