ルーセル:交響曲第2番/バッカスとアリアーヌ
エッシェンバッハ/ルーセル・シリーズ第1弾!
『バッカスとアリアーヌ』&交響曲第2番フランス近代の作曲家、アルベール・シャルル・ポール・マリー・ルーセル[1869-1937]のオーケストラ音楽は、緻密なオーケストレーションと、循環形式や対位法などを用いた明快なスタイルに特徴があるものが多く、これに印象主義の影響色濃い和声の使用も手伝って、なかなか魅力的な音楽が多いことでも知られています。
オーケストラ・ファンに人気のあるルーセルの代表作『バッカスとアリアーヌ』は、もともとバレエ音楽で、その第1幕から第1組曲が、第2幕から第2組曲が編まれています。作品の題材は、R.シュトラウスの『ナクソス島のアリアドネ』などと同じ、ギリシャ神話の“アリアドネ(アリアーヌ、アリアンナ)伝説”に依拠したもので、その筋書きはざっとこんな感じです。
場所はクレタ島。ミノスとパシパエのあいだに生まれた王女アリアーヌは、島を訪れた王子テセウスに恋をし、迷宮への手がかりとなる糸玉を手渡します。迷宮攻略に成功したテセウスは牛頭人身の怪物ミノタウロスを倒し、アリアーヌや、幽閉されていた人々と共に島を出て、ナクソス島に渡ります。しかし、そこでバッカスから促され、テセウスはアリアーヌを置き去りにしてナクソス島を出奔。置き去りにされた彼女は悲しみのあまり身を投げようとしますが、バッカスに抱きとめられ、やがてその魔力によって妻となります。そして彼女はバッカスやそのしもべたちと共に歓喜の踊りに興じるうちに幕。
音楽は輝かしく躍動的なバッカスの要素と、美しく繊細なアリアーヌの要素を軸に、色彩豊かに描かれた傑作。エッシェンバッハ指揮するパリ管弦楽団の放つフランス的なオーラに包まれる素晴らしい聴きものとなっています。
なお、当アルバムでは、バレエ本来のステージ上の動きが想像できるように、スコアに記された注釈の英訳がブックレットに記載されています。
組み合わせの交響曲第2番は、人生の3つの時代を表現したと言われる作品で、こちらもオーケストラの色彩表現力の生きた佳演となっています。
この後、残り3つの交響曲と『蜘蛛の饗宴』がリリースされる予定です。ルーセル:
・バレエ『バッカスとアリアーヌ』組曲第1番
・バレエ『バッカスとアリアーヌ』組曲第2番
・交響曲第2番 変ロ長調 作品23
パリ管弦楽団
クリストフ・エッシェンバッハ(指) 録音:2005年2月モガドール劇場(バッカス)、2005年7月パリ音楽院(交響曲)
Disc1
1 : I. Introduction
2 : II. Youths and maidens at play
3 : III. The labyrinth dance
4 : IV. Bacchus appears.- She falls into a deep sleep.
5 : V. Theseus and his companions rush toward Bacchus. - The sun reappears.
6 : VI. Dance of Bacchus. - Bacchus lays Ariadne down on the rock and disappears.
7 : I. Introduction
8 : II. Awakening of Ariadne. - Bacchus once again takes up the dance of dreams with Ariadne, now awake.
9 : III. Bacchus dances alone
10 : IV. The kiss
11 : V. The Dionysian spell
12 : VI. The procession of the Thiase. A faun and a priestesse of Bacchus give a golden cup of grape nectar to Ariadne.
13 : VII. Adriane's dance
14 : VIII. Dance of Ariadne and Bacchus
15 : IX. Bacchanale. The coronation of Ariadne.
16 : I. Lent
17 : II. Modere
18 : III. Tres lent
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