レーヴェ:歌曲とバラード全集
カール・レーヴェ:歌曲&バラード全集(21CD)
マティス、ツィーザク、プレガルディエン、トレーケル、モルほか
シューベルトよりひとつ年上のドイツ・ロマン派の作曲家、カール・レーヴェ[1796-1869]は、同じゲーテの詩に付曲した『魔王』でシューベルトと比較されることが多く、その劇的な要素の濃い作風が独自の魅力を放っていることでも知られています。
レーヴェは400曲にのぼるリートを作曲し、さらに、規模の大きなバラードというスタイルの歌曲に熱心に取り組んで、のちのヴォルフにも大きな影響を与えるなど、ドイツ・リートの歴史に大きな足跡を残した人物としても有名な存在。
彼の生涯は比較的長いものでしたが、その間、シューベルトやシューマン、ブラームスといったドイツ・リートのライヴァル達が常に活躍していたこともあってか、作品のクオリティに比して、知名度はいまひとつに留まっています。
そんなレーヴェが生誕200年を迎えた1996年、ドイツのcpoレーベルは、彼のすべての歌曲とバラードをレコーディングするという大きなプロジェクトを発足させます。ミケランジェリとの指揮者としての共演でも知られたピアニストのコート・ガーベンが、終始一貫して伴奏を受け持ったこのシリーズは、2007年にすべての録音が完成しています。
起用された歌手は、マティス、カウフマン、フェルミリオン、ツィーザク、プレガルディエン、シュミット、トレーケル、モルなど、ドイツ・リートに実績のある名歌手が中心。ガーベンによる一貫した伴奏のもと、レーヴェ歌曲の多彩でドラマティックな世界が高水準な歌唱によって構築されています。
なお、148ページのブックレットには英語とドイツ語の解説が掲載されており、付属のCD-ROMには、ドイツ語の歌詞とその英訳が収録されています。
【演奏】
ジュリー・カウフマン(ソプラノ)
エディト・マティス(ソプラノ)
ガブリエレ・ロスマニト(ソプラノ)
ルース・ツィーザク(ソプラノ)
モニカ・グループ(メゾ・ソプラノ)
イヴィ・ジーニック(アルト)
ウルズラ・クリーゲル(アルト)
イリス・フェルミリオン(メゾ・ソプラノ)
クリスティアン・エルスナー(テノール)
ヤン・コボウ(テノール)
クリストフ・プレガルディエン(テノール)
ロベルト・ヴェルレ(テノール)
トーマス・モール(バリトン)
ローマン・トレーケル(バリトン)
アンドレアス・シュミット(バリトン)
クルト・モル(バス)
モルテン・E・ラッセン(バス)
コート・ガーベン(ピアノ)
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