音楽むすび | ヤン・ファン・ヒルセ:交響曲第3番

ヤン・ファン・ヒルセ:交響曲第3番

ヤン・ファン・ヒルセ:交響曲第3番

ヒルセ:交響曲第3番
ポルセリーン&オランダ響

1881年にオランダの神学者の家庭に生まれたヤン・ファン・ヒルセは、ケルン音楽院でフランツ・ヴュルナーに作曲を師事、その後、ベルリンでフンパーディンクの元で研鑽を積み、さらに指揮の勉強も収めて、卒業後はブレーメンの劇場で指揮者として活躍してもいました。
 作曲家としては後期ロマン派のスタイルで創作活動をおこなっていたヒルセは、20歳のときに書いた交響曲第1番により、ボンで「ベートーヴェンハウス賞」を受賞、1906年には交響曲第3番により、「ミヒャエル・ベーア賞」を同じくドイツで受賞しています。
 ドイツが大好きだったヒルセですが、ナチス政権は大嫌いでした。オランダ占領の際にも抵抗運動に参加し、やはりレジスタンスだった息子二人をドイツ兵に殺され、ヒルセ自身も無理な活動がたたってか、1944年9月に病気のため亡くなってしまっています。
 そんな気骨ある作曲家、ヒルセ若き日の代表作で、当時のドイツで高く評価された交響曲第3番は、ワーグナーのオペラにインスパイアされ、第3楽章と第5楽章にはソプラノのソロも用いられるというもの。1908年6月2日にミュンヘンで初演され、1909年3月4日にはオランダでも演奏されています。その後、ヒルセの存命中に7回演奏されていますが、楽譜が出版されなかったため、これまで歴史に埋もれていた作品でもあります。
 今回、CPOからのヒルセ第2弾としてリリースされる当CDには、この交響曲第3番が収められています。指揮は第1弾と同じく近現代音楽を得意とするオランダの指揮者、ダヴィト・ポルセリーンが担当。オーケストラも第1弾と同じくオランダ交響楽団です。
 なお交響曲第3番には、ドイツ語で『Erhebung』という副題が付けられていますが、これは、高揚、上昇といった意味合いの言葉となります。(HMV)

【収録情報】
・ヒルセ:交響曲第3番ニ短調

 アイレ・アソニー(ソプラノ)
 オランダ交響楽団
 ダヴィト・ポルセリーン(指揮)

 録音時期:2009年
 録音方式:デジタル

Disc1
1 : Langsam
2 : Leidenschaftlich Und Heftig Bewegt
3 : Sehr Langsam Und Schwermutig
4 : Lebhaft Und Sehr Kraftig, Stellenweise Im Ausdruck Eines Ubermutigen Walzers
5 : Ausserst Langsam Und Sehr Ruhig, Mit Innigster Empfindung
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